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注)イライラの続きです(作者は別の方です) あまりにムシャクシャしてきたので「ゆっくり撃ち」に出かけることにする。 納屋から猟銃代わりの小銃を取り出して簡単な点検を行う。 問題なし、直ちに使用可能だ。 弾薬箱から九七式焼夷実包と九九式普通実包をいくつか取り出して運搬用の弾入れに入れる。 ゆっくりに何をされても一切反撃しないことで里では有名な変わり者のオッサンの畑へ向かう。 あの畑ではいつもゆっくりが我が物顔で徘徊しているのは有名である。 連中に人間の恐ろしさを教育してやるとしよう。 5分ほど歩くとそのオッサンが道の向こうからトボトボと歩いてくる。 ゆっくりに甘いだけで他の点はいたって普通のあのオッサンはもう少しハキハキと歩いていたような気がするが…。 畑に行って射的の的がありませんでしたじゃ困るので話しかけることにする。 やはり腰を痛めていたようだ。しかもゆっくりに体当たりされてときた。 そこまでされたら八つ裂きにしてやりたくなるもんだが、なぜかこのオッサンは一切手を出さない。 まあおかげで楽しく射的ができるのだから文句のつけようも無いが。 オッサンに畑のゆっくりを始末する許可を(殆ど儀礼的なものだが)貰った俺は畑へと急いだ。 畑に行って射的の的がry 5分間の駈足行軍で畑から間に別の畑を挟む程度に離れた土手にたどり着いた。 畑のほうが位置が高いので土手に身を隠す形になる。 「ゆっ…く…たべ……!」「「おい…し……!」」 ゆっくりの楽しそうで人間の精神を逆撫でする声が聞こえてくる。デケエ声だ。 クリップに取り付けた5発の弾を上から装填し遊底を閉め、表尺を起こす。 安全子を手のひらで押し外し、伏射の体勢を取って射撃準備完了。 表尺から畑を覗くと大型の紅白饅頭と黒大福が1つずつ 子供の紅白饅頭が4つに黒大福が3つ見えた。 オッサンは紅白饅頭の親子しか居なかったと言っていたから、その後に呼ばれるなりして増えたのだろう。 まあ的が増えて楽しいだけだが。 一発目は焼夷実包。母親らしき霊夢種に照星を合わせて引き金を引いた。 焚き火に突っ込んだ竹がはじけるような音が辺りに響く。 無煙火薬の燃焼によりマッハ2前後に加速された銃弾は母霊夢の顔ほぼ中央に命中、 銃弾自体は反対側から出口の餡子と皮を道連れに抜けていったが、体内においていかれた焼夷剤が発火し高熱を発生させた。 「ゆっく…り?」 命中した瞬間は何が起こったか分からない様子だったが、体内で発生した高熱を感じ取ると大声で泣き叫び始めた。 「あ゛つ゛い゛よ゛お゛お゛ぉぉおお!!い゛た゛い゛よ゛お゛おおお!」 「おかあさん!しっかりしてね!」「しんじゃやだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」「ゆっくりじでええ゛え゛え゛!!」 母の悲鳴に子供達や魔理沙種が涙を流しながら声を上げる。 普通、他のゆっくりが危害を加えられると魔理沙種はさっさと逃げ出してしまう物だが、 よほど仲が良い親友だったのか逃げ出そうとはしなかった。 「さっさと逃げ出せばいいものを」などといいながらボルトを引き普通実包を装填。狙うは母魔理沙。 引き金を引くとほぼ同時に母魔理沙の額にパスッと小さな穴が開き、反対側がはじけとんだ。 親友を心配している顔で「ゆ゛ぅ゛ぅ゛う゛゛う」と断末魔をあげて絶命した。 残った三発を子供の黒大福に平等に一発ずつ叩き込んだ。体が小さいためか銃弾は母ほどダメージを与えずに反対から抜けていった。 小さな黒大福は「た゛す゛け゛て゛ー!」「い゛た゛い゛よ゛ー!!」と言ってのた打ち回っている。 遊底を開けて次弾装填、すべて普通実包だ。 次々に周りの友達や肉親が倒れていって混乱のさなかにある紅白饅頭にも一発ずつプレゼントし、 やはり苦しみながらのたうつのを見て表尺から目を離す。 なかなか愉快な気分だったが、何時までも叫ばれ続けるのも腹が立つので慈悲深いことに止めをくれてやることにした。 銃剣を取り出して小銃先端の着剣装置に装着する。 もう音を立てないようにしても意味が無いので、小銃を構えて走る。 あっというまに畑にたどり着いたが、どのゆっくりもこちらには気がつかない。挨拶ぐらいしてもいいじゃないか。 こんな無礼な生き物はやはり死すべきだと再認識したので、この中で一番苦しそうな(一番目障りな)母霊夢に足を向ける。 母霊夢は白目をむきながら「ゆ゛、あ゛、あ゛、あ゛…」と不気味な声を上げて苦しんでいた。 目の前に立ってやっとこちらに気づいたようで「た゛す゛け゛て゛…」とか言ってきたが勿論無視。 腰を低く落とし銃剣で一気に突く! 「ゆ゛う゛う゛う゛っ!!!」 どこにそんな体力が残ってるんだと思うぐらい大きい断末魔を上げたあと、ガクリとくずれ動かなくなった。 「確認殺害戦果1、だな。」 そう呟くと、今の断末魔でこちらに気づいた子ゆっくりどもの始末に向かう。 「お゛し゛さ゛んや゛め゛て゛ええ゛!!」「と゛う゛し゛て゛そ゛お゛いうこ゛と゛す゛る゛のー!!」 何か言ってきてるが当然やめるつもりは無い。母の餡が付着した銃剣で子ゆっくりを突き刺した。 「ゆ゛ふ゛っ!」「ふ゛け゛っ!」「ゆ゛っく゛りさ゛せ゛て゛ふ゛ほ゛っ!」 紅白饅頭を3つ処理し、次に黒大福の処理に向かう。殆ど作業だった。 「ゆっく゛りや゛め゛てへ゛っ!」「ゆ゛る゛し゛っ!」「い゛っし゛ょに゛ゆっく゛りし゛ふ゜っ!」 命乞いをして来たゆっくりを突き刺すことほど気持ちが良い物はそうそうないと思う。 何か忘れた気がしてきた所で、ふと後ろを振り向く。 餡子を引き摺りながら最後のゆっくり霊夢が必死に逃げていた。もう殆ど森へ入っている。 何を思ったか「おじさんはひとりでゆっくりしててね!」などと捨て台詞を吐いた。 だが、それが良くなかった。 発声するために一瞬移動をやめ、その為に隠れられそうな岩陰にあと少しのところで銃弾を受けてしまったのだ。 どうせ放って置いてもあの様子じゃ捕食者に食われるか野たれ死ぬかなので見逃してやろうと一瞬思ったが、 死ぬまでに他のゆっくりに出会って此処の惨状を伝えられるとひどく不都合なことになる。 別にゆっくりの復讐など恐れることは無いが、此処の惨状を知ったゆっくりが此処へこなくなるのは避けたかった。 折角の楽しい趣味が一つなくなるのは非常に不都合だ。 そこまで考えた俺は、あと少しで岩陰に入ってしまうゆっくりに表尺を合わせ引き金を絞った。 そのゆっくりは何が起こったかわからなかった。 あとすこしでおうちにかえれる!そう思ったとき、急に視界が飛んだ。 分からないのも無理はない。 最初に受けた銃撃で体の構造が不安定になっていたところに受けた二発目の銃弾は、その持てる運動エネルギーで饅頭に不可逆的な変化を起こしたのだった。 俺は愉快な気分で帰宅中だった。 ゆっくりを手に掛けるところを思い出すと、どうしても笑みがこぼれる。 特に最後のは傑作だった。 銃弾が命中した瞬間、饅頭が粉々に弾けとび、何が起こったかわからないという顔の部分が空中からひらひらと地上へ落ちていくのを見てしまったのだから。 オッサンには楽しい思いをさせてもらったお礼に、何か作物をあげようかと思いながら彼は家へと急いだ。
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むかしむかしのどこかに おじいさんとおばあさんがいましたある日おじいさんは山にしばかりに おばあさんは川へ洗濯に行きました おばあさんが洗濯していると、川上から今にも死にそうなゆっくり霊夢が流れてきました「ゆ·····く·····り······」その霊夢をおばあさんは川からひきあげると霊夢はこう言いました。「ゆ······おば···さん···だれ?···」おばあさんがこたえると、霊夢は言いました、山の上に住んでいる虐待鬼威参にいじめられた挙げ句、川に捨てられたこと、そしてにんしんしていることを おばあさんは、霊夢を連れ帰りました。 数日後····霊夢は回復し、子供も無事生まれました。いじめられたのと拾って助けてもらった恩のおかげでゲス化もしませんでした。 その頃、近くの村や町で鬼が金品や女子供を強奪するという 事件が起き始めました。このままではこの村も危ない時に霊夢と霊夢の子供は決心しました「ゆん!!おばあさん!!おじいさん!!霊夢決めたよ!!!鬼さんを退治するよ!!!」もちろんおばあさんおじいさんは、止めました でも霊夢と霊夢の子供の意志は変わりません 仕方なく虫や木の実がたくさん入った袋を持たして行かせました 霊夢と霊夢の子供はしばらく歩くとみょんに出会いました、霊夢は事情を話しました、そして取引をして武器を作ってもらいました「ゆん♪ゆん♪ゆん♪ゆ〜ん♪ ゆ〜ん♪ゆん♪ゆん♪」そんなふうに歌っているとゆっくり魔理沙がいました 魔理沙もみょんの時のようにして付いてきてもらいました。そして一旦休憩「オチビちゃんたち!みょん!魔理沙!ご飯さん食べようよ」 「む〜ちゃむ〜ちゃ、ちあわちぇ〜〜〜!!」「ゆふふ、オチビちゃん口についてるよペ〜ろペ〜ろ」「ゆふふ、くちゅぐっちゃいよ!おきゃあしゃん!!」ちなみに魔理沙やみょんからは少し白い目で見られいた 「それじゃあ出発するよ!!」 数分後··· うーパックが現れた 霊夢は取引した「うー♪うー♪うー♪」「ゆゆ〜ん♪れいみゅおしょりゃをとんでりゅよ!!」「オチビちゃん!気をつけないとおちちゃうよ!おちたら永遠にゆっくりしちゃうよ!」「ゆ〜ん···ぎょみぇんにゃしゃい··おきゃあしゃん」「だいじょーぶじゃよ!!おきゃあしゃん!!ちょっちえもときゃいはにょありしゅはおちにゃいよ!」ちなみに霊夢の子供は霊夢種とアリス種である「ゆん♪ゆ〜〜♪ !?ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!たちゅけちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」「ゆっ!?オチビちゃん今助けるよ」「やめたがいいのぜ、霊夢」「ゆっ!?なんで⁉」「霊夢が行ってもあのアリスは助からないのぜ それに霊夢が行ったところで二人とも死んで終わりなのぜ」「ゆっ···で··でも··」「霊夢には他の子供と鬼を倒すという目的があるのぜ、それをこんなところで無駄にするのかぜ?」「···ゆん!!わかったよ!あのオチビちゃんには悪いけど霊夢は行かないよ!!」 一方そのアリスは「ゆわぁぁぁぁぁぁぁ!!おぢゃゔ〜〜〜!!くじゅおや〜〜〜!!たしゅけぶっ!!!」 数十分後···「霊夢!見えてきたよ!!」「ゆぅぅ〜〜〜ん、なにが〜?」「鬼の住んでいるところだよ!!霊夢!武器を持って!」「ゆん!わかったよ!」 鬼ヶ島到着「ゆぅぅぅ〜〜〜んいっちょにいきちゃいよ!」「だめだよオチビちゃんはここで待っててね!それと···明日の朝になっても帰って来なかったらおばあさんおじいさんにお母さんは死んじゃったって伝えてね!」「ゆ〜〜ん··わきゃったよ、きおちゅけちえにぇ」「ゆん!それじゃあ行って来るよ」 そう言うと3匹のゆっくりは鬼ヶ島の奥へと向かった 「じゃあ作戦があるのぜ!」「ゆっ!作戦!?」「そうなのぜ鬼は胸にゆっくりでいう、中枢餡があるのぜ、そこをこの武器で刺すのぜ!以上が作戦なのぜ!じゃあ鬼を見つけたらそうするのぜ!」この3匹はとても運が良かったのだろう、島が遠かったおかげで鬼はもう寝ていたからだ。 数分後···「ゆ〜〜ん···鬼を倒せたよ!」たくさんと言っても5体ほどだが「ゆっ!魔理沙!みょん!」「霊夢ここにいたのかぜ!!少し話したいことが」「霊夢もだよ!霊夢鬼をたくさん倒せたよ!」「魔理沙は十二体倒せたのせ!あとみょんは十五体倒せたのぜ!」「ゆゆ!??ゆ!???ゆ〜〜!???!じゅうに?じゅうご?」「じゅうには三が三個と一個でじゅうごは三が三個とニ個なのぜ!」「ゆゆゆ〜〜???わかんないけどとにかくたくさんなんだね!!」「まあそうだぜそれで話しというのはこの奥にここの長がいたんだぜ!でも大きくて武器が刺さらないんだぜ!だから霊夢の武器も貸してほしいのぜ!」「わかったよ霊夢の武器を貸してあげるよ!」「助かるんだぜ!霊夢!」 移動中··· 「ここなんだぜ!ここに長がいるのぜ!!」「ゆわぁ! おっきい鬼だね!」霊夢がそんなことを行っているうちに魔理沙とみょんは武器で武器を押し込み心臓を貫いていた「ふぅこれでいいのぜ」「ゆん!!さすが 魔理沙すごいね!」「まあそれほどでもあるんだぜじゃあ帰るんだぜ!」「そうだね!!帰ろう!!」 移動中··· 「オチビちゃ〜〜〜ん!!!」「ゆっ!!!!おきゃあしゃんおにはたおしぇちゃにょ!?」 「うん!そうだよ!!うーパック!帰りも乗せていってね!!」「うー♪うー♪」「ゆわ〜〜〜い!れいみゅおしょりゃをとんでりゅよ!!」「オチビちゃん気をつけないと落ちちゃよ!!」「ぎよめんにゃちゃ〜い」こうして鬼から分取った宝を持ち帰りその後その3匹は英雄として崇められましたとさ。めでたしめでたしちなみに連れ去られた人は普通に人間の舟で帰れたとさ
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ゆっくりできない四畳半 住宅街から少し離れた河川敷の橋の下。 そこに一匹の身重のれいむが居た。 ゆらゆらと体を揺らしながら幸せそうな顔で歌を歌っている。 「ゆ~ん♪ゆ~ん♪」 周りの草花もれいむに合わせて踊っているかの様に風に揺れる。 その柔らかな風がれいむの頬を撫でた。 すぐ側を流れる川が太陽の光を反射してキラキラとれいむを照らす。 顔をあげて空をゆっくりと流れていく雲を眺めてれいむがにっこりと微笑んだ。 「ゆ~っ!とってもゆっくりできるねっ!」 れいむは群の幼馴染のまりさと番になった。 元々住んでいたゆっくりプレイスはあまり餌が豊富でなかった為に子供を作る事ができなかった。 そこで2匹は群を離れて山から下り、この河川敷に移り住んだのであった。 最初は元のプレイスを出て新たな環境での生活に不安を感じていたが、 草むらに住む豊富な食料や雨風を凌げるホームレスが捨てた家は、 2匹に以前のプレイスよりも裕福なゆっくりライフを提供をしてくれた。 群の仲間からゆっくりを見つけると襲い掛かってくると聞かされていた人間も 「ゆっくりしていってね!」と元気に挨拶をすれば気さくに返事を返してくれた。 きっと無断で人間のゆっくりプレイスに入り込んで、悪さをしたゆっくりの戯言だったのだろう。 そんな事をしたら怒るのはゆっくりでも同じである。 れいむは今までのゆん生の中で最も幸せを感じていた。最もゆっくりしていた。満たされていた。 そう、次の瞬間までは 「ゆっくりにげるよっ!こっちこないでねっ!あっちいってねっ!」 遠くからぽいんぽいん!と草むらを跳ねてくる丸い影。 あの三角帽子のシルエットはれいむの番のまりさである。 しかしまりさの様子が何やらおかしい。 全身から汗を垂れ流して息を荒げながら必死の形相でこちらに叫んでいる。 「ゆっくりかくれてねっ!れいむ!ゆっくりかくれてねぇぇ!」 まりさの取り乱した声をゆっくりと聞いたれいむは顔を強張らせる。 群で一番ゆっくりしていたまりさとは思えない焦りようからも事態の深刻さが伺えた。 「ゆゆっ!れいむはゆっくりかくれるよ!」 れいむはビールケースとビニールシートでできたゆっくりプレイスの影に身を潜める。 れいむがゆっくりと身を隠した事を確認すると まりさは身をひるがえしてあさっての方向にその進路を変えた。 「ゆっくりまがるよ!まりさはこっちへ逃げるよ!あっちにはいかないでね!」 時折後ろを振り返りながら大声で叫ぶまりさ。 恐怖で震えるまりさの視線の先には、まりさとは比べ物にならない程の大きなシルエット。 それは人間だった。 まりさは人間がゆっくりプレイスへ近づかないように誘導していたのだ。 しかし人間は必死に声を張り上げるまりさの方へは向かわずに真っ直ぐにれいむの居る方へ進む。 その様子を見てまりさは驚きの表情を浮かべて立ち止まった。 「ゆっ!なにしてるの!まりさはここだよ!かわいくてごめんね!」 まりさの呼びかけを無視してれいむの居る方向へ歩みを進める人間。 まりさはオロオロと取り乱した顔をしながら人間を追いかける。 「ゆっ!ゆっ!やめてねっ!そっちにはなにもないからねっ!ゆっくりやめてねっ!」 目に涙を溜めながら人間と併走して叫ぶまりさ。 まりさを無視して歩みを進める人間はれいむとまりさのゆっくりプレイスの前で足を止めた。 プレイスの影からそっとを身を乗り出して人間の様子を伺うれいむ。 「ゆっ・・・!ゆゆっ?」 れいむは人間の顔を見て僅かに安堵した。 人間の表情には怒りとか悲しみといった負の要素は感じられなかった。 むしろゆっくり的にはゆっくりしていると感じた。 まりさが不注意で人間の家に迷い込んで粗相をしてしまったのかも知れない。 自分達は人間に危害をくわえるつもりが無い事を伝えればわかってくれる筈だ。 そして理由を聞いてこちらに比があればゆっくりと謝罪しよう。 れいむはそう思ってプレイスの影から一歩足を踏み出した。 恐怖に引きつった顔を引き締めて精一杯の笑顔を浮かべる。 「ゆっ♪にんげ」 次の瞬間、雨さんや風さんがどんなに機嫌が悪くても微動だにしなかった れいむとまりさ自慢のゆっくりプレイスが粉々に砕けながら上空に舞い上がった。 吹き飛ぶビールケースに体をぶつけたれいむが草むらを転がる。 「ゆ゛っ!ゆっくりっ?ゆっくりぃっ!?」 雨の様に降り注ぐプレイスの破片。 まりさが産まれてくる子供たちの為にせっせと集めていた餌が地面に落ちて音を立てて散らばる。 体を掠めて地面に突き刺さるビールケースに驚いてれいむは「ゆぴぃ!」と声をあげて地面に縋り付いた。 体を縮こませながら小さく震え、目を見開いて崩壊していくプレイスをただ見つめる事しかできなかった。 崩れたプレイスの奥から顔を除かせる足を振り上げた人間。 2匹の自慢のゆっくりプレイスは人間が足を振り上げただけでいとも容易く崩壊してしまったのだった。 「どうじでごんなごどするのぉぉぉ!あやまってねっ!ゆっくりあやまってねっ!」 まりさが人間の足に体当たりしながら涙を撒き散らして叫ぶ。 しかし相手がゆっくりならば一撃で昏倒してしまう程の勢いで 体当たりを続けているのにも関わらず人間は微動だにしない。 逆に人間の脛の辺りに体当たりをしてしまい、その硬さと痛みにまりさの動きが止まる。 「あ゛や゛ばっ・・・・ゆっくりい゛だい゛っ!!」 ズルズルと滑り落ちて人間の足にもたれかかるまりさ。しかし弱みを見せるわけにはいかなかった。 歯を食いしばって涙がこぼれるのをグッと堪える。番のれいむの前で情けない姿を見せるわけにはいかない。 まりさがキッ!と人間を睨みあげる。 まりさから見た人間はまるで巨大な塔の様に聳え立ち、その視線はれいむの方へ向いていたが、 ギョロリとまりさを見下ろす。海底の沈殿物の様な黒い両眼。まりさと人間の目が合う。 ゆっくりにとっては遥か上空から見下ろすその眼にまりさは思わず身を振るわせる。 「ゆぴぃ!!」 数秒前の決意も空しく涙を垂れ流しながらのけぞるまりさ。 そんなまりさの頭を人間が鷲づかみにして持ち上げた。 スーッ!と天へ登っていくまりさ。その視点の高さに血の気ならぬ餡子の気が引いていく。 「ゆぅぅぅ!!たかいぃぃ!!ゆっくりたかいぃぃ!!まるでおそろろらろっ!?」 本能的に「まるでお空を飛んでるみたい」と口にしようとしたが、恐怖の余りそれさえもままならない。 まりさには広大なサバンナの様に感じていた草むらがジオラマの様に一望できる。 その光景にまりさは下腹部がキュッと縮こまるような妙な感覚が走った。 これが人間の視点だった。勝てない。勝てるわけが無い。まりさの心は容易く折れてしまった。 降参の合図の様にまりさのしーしーの穴が膨れ上がりジョロジョロと甘味を帯びた水が地面にこぼれ落ちた。 自分の体からだらしなく排出されるしーしーを見てまりさが頬を赤らめながら涙をポロポロと零した。 「ゆ゛っ!みないでねっ!みないでねっ!」 人間とれいむに向かって涙交じりの声を張り上げるまりさ。 これから赤ゆっくりを設けて一家の大黒柱になる筈だったまりさの痴態を見て 地面に張り付いて事の成り行きを見守っていたれいむが「うゅゅ」とすすり泣く。 人間は表情を変えることも無く、まりさの顔をつまらなそうに眺め続けた。 「やべでねっ!もうおろしてねっ!ゆぅっ!!ゆっぐりざぜでぇぇぇぇ!」 人間の手から逃れようと「じたじた」と身を震わすまりさだったが、 最後の一滴がこぼれ落ちるまで人間の視線はまりさに注がれ続けた。 しーしーを出しつくして屈辱に塗れた表情でグッタリとうな垂れるまりさ。 人間はまりさのお飾りである帽子を奪い取ると無造作に地面に投げ捨てた。 涙も枯れ果てて真っ赤になったまりさの目が見開かれる。 「ゆぅ!!なにしてるのぉっ!やめてねっ!まりさのお帽・・・じッ!!!」 声を張り上げようとしたまりさの顔面に人間の平手がめり込んだ。 ビリビリとした衝撃がまりさの中を駆け巡る。 今までのゆん生の中で経験した事の無い激痛。 痛い。怖い。ゆっくりできない。人間さんはゆっくりできない。 かえりたい。森にかえりたい。怖い。とにかく怖い。 「ゆ゛っ!・・・ぐっゆっ・・・!」 目をギュッと閉じてガタガタと身を震わせるまりさ。 人間はそんなまりさに気をかける事も無く、 まりさのおさげを解いて髪をパイナップルの様にまとめるとリボンできつく縛った。 「ゆ゛ぅぅぅぅ・・・!やべでぇぇぇ・・・!やべでねぇぇぇ・・・!」 涙で汚れた顔を更にグシャグシャにして力なく声を絞り出すまりさ。 しかしその声はピタリと止まった。 男の手に握られているのはライター。 その先から噴出する火を見てまりさが顔を強張らせる。 「ゆ゛っ!や、やめてねっ!あついあついはゆっくりできないよっ!」 「やべでねっ!まりさをゆっくりさせてあげてねっ!」 草むらに身を潜めていたれいむも人間の足に身を擦り付けて懇願を始める。 ライターの火から身を捻って体を遠ざけるまりさ。 しかし男の手に握られたまりさの体はこれ以上ライターの火から逃れる事はできない。 徐々にまりさの体に近づいていく炎。その熱にまりさは顔を歪める。 「ゆ゛っ・・・ゆゆっ!ごべんなざいぃぃ!よくわからないけどごべんなざいぃぃ!」 まりさはどうして今こんな事になっているのかわからなかった。 まりさの狩りをジッと見つめていたこの人間に元気良く挨拶をしただけである。 それなのに何故こんな事になっているのだろうか? わからない。わからなかった。しかしそれでもまりさは涙を流しながら必死に人間に謝罪した。 謝罪し続けるしかなかった。人間の気が変わって解放される事を祈るしかなかった。 「ごべんなざいぃぃぃ!ごべ・・・っゆ゛あ゛あ゛あ゛っ!!?」 まりさの謝罪は受け入れられなかった。 ライターの火はパイナップルのようにまとめられたまりさの毛先に引火した。 まりさの髪の毛がチリチリと炎に焼かれて煙をあげる。 「ゆ゛あ゛っ!ゆ゛っぐり゛!!ゆ゛っぐり゛ぃぃぃ!!」 男の手から開放されて地面を転がるまりさ。 草むらに頭を押し付けて火を消そうともがいたが、火の勢いは収まらない。 まりさの頭部に凄まじい熱気と餡子を抉るような鈍い痛みが伝わってくる。 「れいむ!だずげでえええ!ばやぐだずげでねぇぇぇ!」 「まりざぁぁぁぁ!まりざぁぁぁぁ!」 まりさがのたうちまわりながられいむの元を目指して転がる。 れいむはまりさに駆け寄って炎を消そうと舌をまりさの頭に近づけるが 炎に触れる前に煙が立ち上りグニャリと舌先が変形した。 「ゆ゛ぎゅっ!」 少し遅れて伝わってきた激痛にれいむは思わず地面に倒れこむ。 触っても居ないのにこの痛さ。頭を炎で焼かれているまりさの痛みは計り知れない。 まりさは目をこぼれ落ちる程に見開いて耳を劈くような奇声をあげながら地面に頭を叩きつけている。 このままではまりさが二度とゆっくりできなくなってしまう。 幼い頃から一緒に遊んで、歌って、狩りをしたまりさが居なくなってしまう。 れいむにとってまりさの居ないゆん生など考えられなかった。 「まりさぁぁぁ!お水さんだよぉぉぉぉ!ゆっくりしないでお水さんに飛び込んでねぇぇぇぇ!」 「ゆ゛あ゛あ゛っ!おびず!!お゛びずざん゛ん゛!!!」 まりさはギリッと歯を食いしばりながら身を翻して 川に向かってばすんばすん!と火の粉を撒き散らしながら弾んでいった。 「おーい、まりさ」 「ゆ゛っ!!!」 川まであと数歩の所で人間がまりさに声をかけた。 血走った目で川へ向かって飛び跳ねながら人間の方へ視線を向けるまりさ。 その人間を見たまりさの足が思わず止まる。 「ゆっくり戻ってね」 人間の手に握られたのはまりさの命と同じくらい大事な帽子。 その帽子には先程のライターがあてがわれている。 「ゆ゛っ!!な゛に゛じで!?な゛に゛じでぇぇぇぇぇぇぇ!?」 形相を浮かべながら川を流れる水と人間の握った帽子を何度も交互に見つめるまりさ。 早く水に入らないとゆっくりできない。でも帽子を焼かれたらゆっくりできない。 頭の上では熱くて痛い塊がバチバチと唸りを上げている。 まりさの体が自然に川へと向かって擦り寄った。 「ゆっくり戻れ」 先程より冷たく重い人間の声。まりさの動きがピタリと止まる。 戻って帽子を返して貰わないといけない。でも水に入らないとゆっくりできない。 しかし火を消しても帽子が無いと一生ゆっくりする事はできない。 でもまず水だ!しかしその前に帽子を!でもこのままだと!しかし!でも!しかし! 帽子!水!ゆっくり!帽子!水!ゆっくり!帽子!水!ゆっ・・・ プツッ! 答えを導き出す事無く、まりさの命は時間切れになった。 熱がまりさの泡だった頭皮を溶かして破き、鈍い音と共に噴水の様に餡子がビュルビュルと噴出した。 「びばっ!ばっ!ばばばばばっ!」 一瞬にしてゆっくりの生命を維持する餡子の大半を失って痙攣をはじめるまりさ。 噴出した餡子によって火は消えたが、それと同時に命の灯火も消えてしまった。 ぶるんぶるんと操り人形の様に身を揺らすまりさを見てれいむが叫び声をあげた。 「まりざぁぁぁぁ!まりざぁぁぁぁぁ!ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「狩りにいってくるねっ!」と何時ものように元気な微笑みを浮かべて草むらへ跳ねていったまりさが 今は目の前で白目を剥いてだらしなく舌を垂れ流して痙攣しながら餡子を撒き散らしている。 どうしてこんなことに。まりさはついさっきまであんなにゆっくりしていたのに。 「どぼじでええええ!どぼじでえええええ!」 れいむは痙攣をやめて崩れ落ちるように地面に倒れこんだまりさの元へフラフラと向かう。 しかしその歩みはたった数歩で止まった。 激しい下腹部の痛み。 まだ赤ゆっくりを出産する時期では無かったが、 まりさの死に直面したショックで本能的に子孫を残すべくれいむが産気ずいた。 「う゛っ!うばれ゛る゛ぅぅぅぅぅ!」 歯茎を剥き出しながらギリギリと歯を鳴らして 涎と汗をダラダラと垂れ流しながられいむは丘に打ち上げられたトドの様に地面に横たわる。 その光景を醒めた目で眺める人間。 「ゆっぐりじでいっでね!おぢびちゃん!お外はゆっぐりできないよぉぉぉっ!」 必死に産まれ落ちようとしている赤ゆっくりに語りかけるれいむ。 気がつくと人間はれいむの傍らに膝を曲げて腰を下ろしていた。 まりさをあんなにもゆっくりできない方法で嬲り殺しにしたというのにも関わらず全く悪びれない表情。 こんな事をしたのに午後までゆっくりと寝過ごしてしまったかの様なとぼけた顔。 れいむのゆん生の中で湧き上がったことの無い煮えたぎる様な怒りの感情。 その「ゆっくり」とは間逆の感情を抑えることが出来ずに れいむはクワッ!と目を見開いて人間を睨みつけると狂ったように叫んだ。 「じねぇぇぇぇ!ゆ゛っぐり゛ごろじはぞぐざにじね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」 首を振り回して唾を撒き散らしながら大口を開けて人間を罵倒するれいむ。 しかしそれでも人間の表情は変わらない。 人間は地面に落ちている石を拾い上げてれいむのまむまむに宛がうと れいむを蹴り飛ばした。 「んぎゅんッ!」 強引にまむまむに蓋をされて出産を阻止された。 ぷるんぷるんと体を波打たせながられいむが地面を弾む。 コロコロと地面を転がり仰向けになった所でようやくれいむの体が止まった。 全身を駆け巡る激痛に白目を剥いて痙攣するれいむ。 その視線の先には先程と変わらないゆっくりと流れる雲。 れいむがこんなにもゆっくりしていないのに、雲さんは何をそんなにもゆっくりしているのだろう。 憎々しげな視線を空に向けていたれいむだったが、その視線が人間によって遮られる。 れいむの視界が人間の振り上げた足で一杯になった瞬間、その意識はプツリと途切れた。 それから数日後 薄暗い廊下を進む男。 男の足音と時計の針が時間を刻む音だけが辺りに響く。男が立ち止まった先には固く閉ざされた扉。 そこは未整理の品々が乱雑に置かれた物置だった。その一角のクローゼットに男は手をかける。 ギィ 木材の軋む音。開かれたクローゼットの中は空っぽだった。 物が何も置いて無いという意味ではない。本当に何も無かった。 ただの空洞。トンネルの様にただそこに置かれているだけだった。 目の前には再び扉。クローゼットはこの扉を隠す為だけに存在していた。 男はポケットから鍵を取り出し、その隠し扉の南京錠にそれを差し込んで扉を開いた。 中は四畳半ほどの狭い空間。 部屋の脇の棚にはうず高く積まれた水槽。その水槽の中には無数のゆっくり達が蠢いていた。 ゆっくりすることを信条としてゆっくりできる者ほど優れた個体とされるゆっくり達だったが、 ここに居るゆっくり達の表情はおおよそ「ゆっくり」などという単語とはかけ離れていた。 虚ろな目で薄笑いを浮かべて虚空に目を泳がすだけのゆっくり。 ひたすら痙攣を繰り返し時折耳を劈くような奇声を上げるゆっくり。 息絶えた親ゆっくりの体に無数に埋め込まれた狂ったように泣き叫ぶ赤ゆっくり達。 延々とすっきりを行い頭から生える実ゆっくりを奪い合うように喰らう番のゆっくり。 すべて男の仕業だった。 自然に住む野生のゆっくり、街に住む野良ゆっくり、誰かに飼われていたであろう飼いゆっくり。 それらを見境無くここに連れ込んで虐待と更なる虐待の為の治療を繰り返した。 多くのゆっくりは命を落としたが、 その前に精神を病んで奇行に走り出したゆっくりを棚に並ぶ水槽に入れて延命させた。 それが男の今のコレクションである。 それには何の意味も無かった。飽きればゴミのようにそれを捨てるだろう。 部屋の真ん中の作業台の上に置いてある透明な箱の中にまだ精神を病んでいないゆっくりの親子が居た。 数日前に番のまりさを殺されて、ここに連れて来られたれいむとその赤ゆっくり達だ。 棚に陳列された精神を破壊されたゆっくり達の視線に怯えながらこの薄暗い部屋の透明な箱の中で れいむは7匹の赤ゆっくりを出産した。れいむ種が5匹、まりさ種が2匹。 この8匹のゆっくり達はこれから数時間で死ぬか、棚の水槽で死んだように生き続ける事になるだけの存在。 少なくともこの時点では、このゆっくりの親子達には逃れられない2つの運命が待つのみだった。 「い゛っい゛や゛じゃぁぁぁ!!ばなじでにぇぇぇぇ!!」 もみあげをパタパタと振りながら赤れいむが身をよじって男の手の中で暴れる。 男は手のひらの赤れいむを人差し指と親指で摘み上げると潰れる限界までその体を押し潰した。 赤れいむの動きはピタリと止まり顔を真っ赤にして涙を零しながら小さく呻き声をあげる。 「んぎゅ・・・・!んぎゅぅぅぅぅぅ・・・・!!」 「やべでええええ!やべでね!おちびちゃんはいやがっでるよぉぉぉ!」 透明な壁に顔を押し付けて号泣する親れいむ。 男は空いた片方の手を机に滑らせると一本の針を取り出した。 その先端を赤れいむに突きつける。 顔を真っ赤にしながら圧力に耐える赤れいむの顔が更に醜く歪む。 「やべちぃぇぇぇ!ゆっぐちちゃちぇてぇぇぇぇ!」 「ゆっくりさせてぇぇぇ!おちびちゃんをがえじでぇぇぇ!」 水槽の中から嗚咽を漏らす親れいむ。 それにしがみ付いてブルブルと身を震わせる赤ゆっくり達。 男はそれをつまらなそうな目で見下ろした。 男にとってそれは腐るほど見た光景だった。心底どうでもいい光景だった。 芸の無いテンプレートな台詞に苛立ちを覚える程であった。 男が小さくため息を吐いた。 身重だったかられいむ種の方を選んだが、やはりまりさ種を持ってくるべきだった。 れいむ種はつまらない。殆どのれいむ種は虐待を前にして泣き喚くだけである。 この状況を打開しようとする意思が無い。その点まりさ種は違う。反応が多彩だ。 子を捨てて逃げ出す者。子を差し出す代わりに自分を見逃して欲しいと懇願する者。 自分の身を差し出す代わりに子を見逃して欲しいと懇願する者。 なんとかこちら側に入ろうと画策する者。その反応は多岐にわたる。 「返してやろう」 男は針を床に投げ捨て、果物ナイフを手に取ると淀みない動作で赤れいむの頭部を切り開いて 小指で中の餡子をクルリとひとかきすると頭部を閉じてオレンジジュースが入った小皿に 赤れいむを軽く浸して傷を塞ぎ、箱の中に赤れいむを投げ入れた。 親れいむにはこの一瞬の動作を認識することができずに、赤れいむは無傷で返されたと思った。 目を輝かせながら転がる赤れいむに擦り寄ると、涙を零しながら満面の笑顔を浮かべた。 「ゆっ!おちびちゃん!よかったね!ゆっくりしようね!」 「ゆっ?ゆっ?ゆっ?ゆっ?」 しかし赤れいむは箱の中でころころと転がり続ける。 他の赤ゆっくりや壁にぶつかってもその動きを止めない。 「ゆぅ!?どぼじだの!?おちびちゃん!ゆっくりしようねっ!」 「ゆ゛っ!あばっ!ばばばっ!ばひっ!」 男の手によって中身の餡子をかき混ぜられた赤れいむは 思考を司り、体の動きをコントロールする中枢餡が破壊された為に体は動いているが、 既に死亡していた。 そして姉妹のゆっくり達を払いのけて狂ったように透明な壁に何度も体を叩きつけていたが、 突然赤ゆっくりらしからぬ無駄に立派なぺにぺにをそそり立たせると 「へひっ!ゆ゛っ!しゅっ!しゅしゅっ!しゅきりぃぃぃぃ!!」 と焦点の合わない目を輝かせながら絶叫するとぺにぺにから餡子を噴出させた。 そのまま仰け反るように倒れこみ噴出させた餡子を全身に浴びる。 「しゅっきり!!しゅっきり!!しゅっきり!!しゅっ!しゅっ!しゅっ!しゅっ!」 体の餡子を出し尽くした後も満面の笑顔で痙攣しながら悶えていた赤れいむだったが、 突然この世の終わりのような苦悶の表情を浮かべた途端、 親れいむから4番目に産まれた赤ゆっくり、四女れいむは動かなくなった。 四女れいむの奇行に身を震わせて親れいむの後ろに隠れてフルフルと身を震わせる赤ゆっくり達。 親れいむも歯をガチガチと鳴らしながらその光景を呆然と見ていた。 「なにごれぇぇぇぇ!」 「ゆっぐりできないぃぃぃぃぃ」 「きょわいよぉぉぉ!」 「だしゅげでえええええ」 そんなゆっくり達の様子を詰まらなそう見ていた男が口を開く。 「腹が減った。お前らの中から3匹差し出せ、食べるから」 「ゆ゛っ!!!」 その言葉に親ゆっくりは目を見開く。 そして顔を強張らせながら男を見上げて恐る恐る口を開いた。 「ぞっ・・・ぞんなのえらべるばけ」 「全員食べてもいいんだぞ」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 男から放たれた冷たい一言。 れいむは歯茎を剥き出して叫んだ。もう叫ぶくらいしかできなかった。 男の手に渡ったおちびちゃんがあんな事になったのだ。 差し出せる訳がない。しかも食べると言っているのだ。 選べない。全員かわいいれいむのおちびちゃんだ。 選べる筈が無い。しかしだ。選ばなければ全員が食べられる。 選ばないといけない。選ばなければ。誰だ。いらない奴は誰だ。 れいむの餡子脳がグルグルと無駄な回転を始めた。 視線を下に移すと赤ゆっくり達が身を摺り寄せながらプルプルと震えている。 親れいむにすがりつきながらもその目には微かな不信感が伺える。 まさか、まさかとは思うが自分が選ばれるのでは無いかという不信感。 選ばない!選ぶわけがない!そんな顔でこっちを見ないで!ゆっくり!ゆっくりできない! 答えなど出ない。視界が歪んで餡子が口から出そうになるだけだった。 いらない子など居ない。しかし選ばないと。いらない子など居ない。しかし・・・ れいむの餡子脳が無限にループを始めた。れいむの心は何故か楽しくなってきた。 こんな状況なのにれいむの心がゆっくりしはじめた。わからない。ただただわからなかった。 れいむの思考が行き場を失って安全地帯である「ゆっくり」に逃げ込んだのだ。 「ゆっ!まりさがいくのじぇl」 親れいむの泥沼に陥った思考を断ち切るかのように 三女の赤まりさがぽいん!と一歩前にでた。親れいむが驚いた表情で三女まりさを見る。 目には涙を溜めてガタガタと震えていたが、その瞳の奥には確固たる意思を感じた。 その目を見た親れいむはギリギリのところで精神の崩壊を免れた。 それは数日前まで一緒に暮らしていた幼馴染の番のまりさの目だった。 「おねぇちゃん!いもうちょを一緒に守ろうにぇ!」 「ゆ゛っ!!」 「どぼじで!?」 三女まりさの視線の先には長女れいむと次女れいむ。 2匹はクワッ!と目を見開いて驚きの表情を浮かべた。 何故こんな時にそんな事をいうの?バカなの?死ぬの?英雄気取りなの? 2匹は見事にシンクロした動きで口をパクパクさせながら首をフルフルと振り回す。 そんな3匹を交互に見ながらオロオロと取り乱す親れいむ。 「決まったようだな」 面倒くさそうにゆっくり達の三文芝居を見ていた男が箱の蓋をあけて手を伸ばす。 それに噛み付くようにしてくっつく三女まりさ。 一方、長女れいむと次女れいむは涙を撒き散らしながら箱の中を飛び回った。 「がっでにばなじをちゅちゅめにゃいでにぇぇぇぇ!」 「のーきゃん!のーきゃんだからにぇぇぇぇ!」 他の赤ゆっくりを突き飛ばしながら逃げまとう2匹。 男はそんな長女れいむを人差し指で押しつぶした。 「あっちいっちぇ・・・・・・ん゛ぎゅぶばッ!」 プパッ!と餡子と砕けた歯を撒き散らす長女れいむ。 パタタタタ!ともみあげを床に叩きつけて暴れるがそんなものでは男の指から逃れる事はできない。 徐々に長女れいむを押し付ける力が強くなる。 長女れいむは「げっ!げっ!」と変な声を漏らしながら悶絶した。 「ゆぴぇっ!ゆ゛っぐち゛ぃぃぃ!ゆ゛っぐぢぃぃぃ!!」 それを見た次女れいむはしーしーをぷしゃー!と霧吹きの様に垂れ流すとピタリと逃げるのを止めて 汗を垂らしながら死にそうな顔で微笑むと「ゆっくりのるね」と男の手に飛び移った。 男の手に齧り付く三女まりさ、餡子を吐きながら痙攣する長女れいむ、 目を丸めて呆然とする次女れいむを乗せた男の手が静かに箱の中から出て行った。 「洗って禿饅頭にしてから喰うか」 そう呟いて踵を返した男。 それが男の最後の言葉だった。 ガシャン! 作業台に乗った小物を撒き散らしながら男が膝から崩れるように倒れた。 男は胸を病に侵されていた。 医師は男に病状を伝える家族が存在しない事がわかると直接男に告知した。 淡々とそれを聞かされた男は残された時間で何かを成すべく奮起する事もなく、 かと言って残された時間を静かに有意義に使う事もなく、 目に付いた幸せそうなゆっくりをさらって虐殺をはじめた。 輝く未来に胸を躍らせるゆっくり達を蹂躙して弄ぶ事によって現状から逃避した。 男にはそれが楽しくて楽しくて仕方がなかった。 楽しすぎて残された時間がもう0になりつつあることも忘れてしまっていた。 後悔はあった。やり残した事は両手では数え切れない程あった。 しかし手からこぼれ落ちた3匹の赤ゆっくりと それを箱から形相を浮かべて見ているゆっくり達。 こいつらの末路を想像すると途端に楽しくなってきた。 自らの手を下さずに自然と崩壊していくゆっくりの親子。これは面白いかもしれない。 無表情だった男の顔に久方ぶりの笑みが浮ぶ。 その横をゆっくりとは思えない速さでぱしんぱしん!と弾む長女れいむが通り過ぎた。 目を血走らせて必死の形相を浮かべながら一心不乱に扉の外を目指す。 親も姉妹も見捨てて本能的にゆっくりできない場所からの逃走・・・。 本能的?どうだろうか?この糞袋は産まれて早々にゲスの才能を開花させたのかも知れない。 分厚い扉の隙間を抜けて長女れいむが四畳半の部屋を抜け出す。 恐怖に引きつった顔がコロリと笑顔に変わる。 「ゆゆん♪おそとに」 (でられないよ) 扉の隙間から手が伸びて長女れいむを捕らえた。 檻の様に5本の指が長女れいむの周りに突き刺さる。 「ゆぴぇっ!どいちぇにぇ!どいちぇにぇぇぇ!」 指の間に体を押し付けて尻を振って脱出をはかる長女れいむ。 男の指先に濡れた感触と弱々しい長女れいむの力が伝わってくる。 えぐえぐと嗚咽しながら長女れいむが耳障りな甲高い声で叫ぶ。 「どいちぇぇぇぇ!どげぇぇぇぇ!じじいいいいぃぃl!」 男は腕を手繰り寄せて後方へ振り下ろした。 指の牢獄が床を滑る。 指の間から醜く顔をはみ出しながら長女れいむも床を滑った。 再びゆっくりできない部屋に引きずり込まれる。遠ざかっていく扉の隙間。 まるで底の無い落とし穴に突き落とされるような感覚。長女れいむの表情が恐怖に歪んだ。 「ゆ゛ん゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!」 それと同時に長女れいむの足元に焼けるような痛み。 床との摩擦で長女れいむの体が擦り切れていった。 餡子を撒き散らしながら床を転がる長女れいむ。 男は最後の力を振り絞って立ち上がり、 倒れこむようにして四畳半の部屋から出ると扉を蹴り飛ばして閉じた。 中の音はもう一切聞こえない。 あの耳障りな奇声と嗚咽が嘘のように静まり返る室内。 時計の針が時間を刻む音だけが部屋の中に響く。 その微かな音も男の耳にはもう届いていなかった。 男は満足気な表情を浮かべると眠るように目を閉じて動かなくなった。 「じねぇぇぇぇ!じねぇぇぇぇぇ!ゆっぐちじねぇぇぇぇ!」 餡子を滴らせながら固く閉ざされてしまった扉に向かって 呪いの言葉を吐き続ける長女れいむ。その言葉は男にはもう絶対に届かない。 「ゆひゅーゆひゅー」と息を切らせながら天を仰ぐ長女れいむ。 赤ゆっくりにとっては遥か上空に佇む棚に並ぶ水槽の中の 「目」しかないつるつるの丸いゆっくりと長女れいむの目が合う。 (・・・ゆっくりしていってね) 「ゆ゛っ!!!」 突如聞こえた聞こえるはずの無いその声に長女れいむは 歯を剥き出して驚きの表情を浮かべてその場で飛び上がった。 そして着地した時の湿った音で自分の中身が取り返しのつかないほど 流れ出してしまった事に気がついて目に一杯の涙を浮かべた。 つづく ※ついに名前を貰ったよ!代表作が「お○んぽ大好き!みょんの大自然丸かじり」とかだったら 「お○んぽ丸かじりの人」とかになってたんだね!わかるよ!わからないよ! 今まで書いたもの ゆっくり見せしめ ゆっくり電柱 ゆっくり脳内補完 副工場長れいむの末路 ゲスの見た夢 元野良れいむの里帰り ゆっくりできない四畳半 このSSに感想をつける
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「おい、こっちにれいむ種がいたぞ!」 「殺せ!!逃がすなっ!」 森を、怒りに満ちた声が飛び交う。 数十人の男たちが1匹のゆっくり霊夢を追いかけていた。 「ゆー!!やめてね!!れいむはゆっくりしていただけだよ!?」 ぼよんぼよん。 情けない音を鳴らしながら逃げるれいむ。 「殺せ!殺せ!!」 男たちの声が、れいむの後頭部をビリビリと震えさせる。 「ごわいぃいい!!!ゆっぐりできないぃいっ!!! ――ゆっ!?!?」 次の瞬間。 れいむの眼前に木製バットが飛び込んできた。 「ゆぴぃっ!!」 そのままバットはれいむの上半分を吹き飛ばしてしまった。 待ち構えていた男がフゥフゥと息をつく。 そして、やってしまった、といった顔に変わる。 「バカ野郎!!!何してやがんだ!!!」 ようやく追いついた男たちに、バットを振るった男は怒鳴りつけられる。 「す…すみません………!!つ、つい……!!」 「つい、で済むかバカ野郎!!急いでかたずけろ!!」 「早くしねえとまた湧いて出てくるぜ!?」 「急げ!!時間がねぇっ!!」 男の一人が辺りに飛散した餡子を指さし、別の男が手際よく回収していく。 それもかなり念入りに。 餡子が触れた部分の土は、スコップで掘ってビニル袋に入れる徹底ぶりだ。 吹き飛んだれいむの餡子はかなり多く、その後3時間に渡って回収、消毒作業が行われた。 「………昨日の件でお話が」 男は村長に深々と頭を下げた。 彼は昨日、バットでれいむを潰した男だ。 「………わかっておる。この音を聞けば、な……」 村長が、耳を塞ぐポーズをとる。 見ようによっては頭を抱えているようにも見える。 「……すみません」 小さな謝罪。 それは外から聞こえる騒音にかき消されてしまった。 二階の窓から見える地面は、赤と黒で染まっている。 ぞわぞわと、波のように動きながら。 「……堤防は大丈夫だろうな」 「はい……そちらはなんとか」 大地を埋め尽くすモノ。 それらは全て、れいむ種の赤ちゃんゆっくりだ。 村を取り囲む堤防がなければ、今頃村は赤れいむであふれかえっていたことだろう。 「ワシが子供の頃は、ゆっくりはここまで繁殖力旺盛ではなかったというのに………」 うつむいたまま、村長は呟いた。 ゆっくりには、植物型妊娠と呼ばれる出産方法がある。 自身から茎を生やし、子を成すものだ。 いつからか、ゆっくりは交尾なしでも出産するようになった。 人間による駆除活動に対抗するため、多産を強化したのかもしれない。 そして人間は、それに対抗して駆除回数を増やした。 それが原因かはわからないが、ゆっくりはさらに増殖するための能力を得た。 今の凄惨な現状がその結果だ。 「………俺が餡子をブチ撒けたせいで…………!!クッ……」 ゆっくりの体内の餡子。 これが地面に放置されると、芽が出るようになった。 ほんの少しの量でも確実に芽が出る。 その芽は周囲の大地から養分を吸い取り、わずか12時間~24時間で1メートルほどにまで成長するのだ。 もちろん、それに赤ちゃんゆっくりが成る。 1本の茎から100匹近くの赤ゆっくりが実るとも言われている。 産まれた赤ゆっくりが、潰されるか何かする。 そうするともう手の着けようがないレベルで増殖する。 大量に増えると、草や木は根こそぎ食べられてしまう。 そして茎が土の養分を吸うので、土地が枯れる。 1匹のゆっくりを撒き散らすだけで、死の大地ができてしまうのだ。 世界中のゆっくりがある日を境に究極の進化を遂げてしまった。 害獣ゆっくりとしての最終進化だ。 生殖行為を行わずとも爆発的に増え続ける究極の生命。 それから間もなく人類は滅亡した。 このSSに感想をつける
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ある男が居た。 まじめで、明るく皆から頼りにされる男だった。 そんな男は、洪水で氾濫しそうな川に土嚢を敷いている最中に川に流されて死んだ。 危険な箇所、誰も行きたくない箇所の作業での事故。 まさに、その男の生き様を象徴するような事故だった。 ……その男が残したレポートがある。 数冊にまとめられたそのレポートは、幻想郷に住まうある物体の観察を記したものだった。 その物体の種族名はゆっくり。 幻想郷で家・畑問わず荒らしまわっている害蟲である。 そのゆっくりについて書かれたレポートの、最初の観察を読んでみることにする。 今日から、ゆっくりについての観察したデータをまとめる事にする。。 記録などした事がないので、日記のようにまとめていこうと思う。 その日は長かった残暑もひと段落し、逆に暖房が欲しいほど冷えた10月の初め。 今日は近くの森からゆっくり霊夢の一家を家に連れてきた。 聞けば、何日か前に散歩から帰ると、魔理沙種に家を取られておりその日から何も食べていないらしい。 なるほど、近くの洞穴を見るとゆっくり魔理沙一家が元気よく過ごしていた。 これまた、ほのぼのする様な一家の光景だ。 「おじさんの家でゆっくりしないかい?」 籠から大きな肉まんを差し出しながら一家に提案した。 これだけで良い。 肉まんの足の先から羽に至るまで数分で食べつくしたゆっくり霊夢一家は、先程とは打って変わって、ワイワイと自分の後ろをついて来た。 「ゆっくりできるね!」 「おいしいものもたくさんたべれるね」 賑やかに後ろをついてくるゆっくり一家。 少ないが、食べ物を口に入れたことで少しは元気が出たのだろう。 「ここがおじさんの家だよ」 「ゆ! おおきいね!」 「おじさんのおうち、とってもおおきいね!」 ご機嫌を取ろうと、口々にお世辞の言葉を話すゆっくり達。 さすがに家のものを壊されちゃかなわないので、早々に庭の離れへと連れて行く。 離れは、和風建築の家には珍しく入り口は引き戸になっている。 その中は和風そのもの、違う点といえば珍しい石油ストーブが置いてあることだ。 珍しいものを見たからだろう、興味津々でその周りに集まるゆっくり一家。 「ゆゆっ! あったかい! おじさんこれあったかいよ」 「なつみたいだね!」 「それはストーブって言って、部屋を暖かくするものだよ。あんまり近づくと火傷するから気を付けてね」 放っておいて、そのままダイブしたら危ないので注意する。 直ぐに全員に伝わったらしく、はぁーいの大合唱が返ってきた。 「寒かっただろ、暫くここで過ごせばいいよ。外に出たかったら言ってくれれば何時でも出してあげるから」 「おじさんありがとう! ゆっくりするよ」 信用されたのか、あちらこちらに散らばっていたゆっくり達も、ゆっくりするよと声をかけてきた。 一家で散歩するなら、自分の畑に連れて行って取れたての野菜を食べさせるのも良いかもしれない。 きちんと、言って聞かせれば大丈夫だろう。 しかし翌日も、その翌日もゆっくり達は部屋から出てこなかった。 食事はきちんと与えているので、共食いの心配はない。 寧ろ最近は、食事の量を増やせといってきた。 快く応じる、どうせ野菜は一杯あるのだ。 ストーブも石油が切れないように心がける。 「おじさん! はやくいれてきてね!! ゆっくりできないよ!!」 「ゆっくりできないよ!」 お母さんゆっくりが偉そうに急かしてくるので急いで石油を入れる。 子供達が温まれないのを嘆いているのだ、無理に怒っても仕方が無い。 「ごめんね、遅れて。今火をつけるからね」 「おそいよ! もっとゆっくりはやくしてね!!!」 母親が強気に出ているのに気付いたのか、子供達も自分にタックルしてきた。 取り合えず、その場は謝って部屋を後にする。 一ヶ月と時間が過ぎて、綺麗な紅葉も地面に還ろうとしていた。 勿論、ずっと部屋に居るゆっくり達には、残念ながらその変化は感じられなかったようだ。 一緒に散歩に行こうと誘っても、ここでゆっくりしてるよと言って一緒にきてくれない。 母親に居たっては、途中で美味しいもの見つけてきてね、と言う始末だ。 しかし、初めに家でゆっくりしていいよ、と言ったのは自分なので悪くいう事は出来ないが、全く遠慮と言う言葉を知らないようだ。 それから更に一ヶ月あまり過ぎ、相変わらずゆっくり一家は離れに居座り続けた。 おそらく、ゆっくり達にとっては至宝の時間だったのだろうが、こちらもこの時期は色々と忙しい。 さすがに十数匹のゆっくりの面倒は見ることが出来ない。 残念だが巣に帰ってもらう事にするほか無いようだ。 「おじさんなにいってるの? ゆっくりたちのおうちはここだよ! はやくたべものもってきてね♪」 分かっていたことだが、ゆっくりの頭の中ではここが自分達の巣になっているらしい。 随分おめでたい頭をしてので、お母さんゆっくりにもう一度『お話を聞いて』貰ったら、今度は直ぐに嘘を認めた。 「ごめんなざい! ゆぐっりたべれだがらごごにいまじだ!」 誠心誠意謝ってくれた、あのゆっくりが自らの過ちを認めてくれたことは嬉しかった。 やはり話し合いと言うのは大事である、これはゆっくりにも共通しているようだ。 逆にこちらが恐縮してしまったので、離れる前に最後の食事として沢山のわたあめを持たせてあげた。 大きな袋に入れたので持てるかどうか不安だったが、子ゆっくりも全員きちんと口で挟んで運べるようで一安心。 「おじさん! こんなにありがとう!」 「おうちにかえってゆっくりたべるね!」 「さよなら!!」 「おじさんゆっくりしてね!!」 思い思いの言葉を話して別れを惜しむゆっくり達、全員が扉の前に集まったのを確認して扉を開けた。 ゆっくり出来たといっても狭い部屋だ、普段から広い外の世界を走り回っていたゆっくりは窮屈だったのだろう。 扉を開けたとたん勢いよく飛び出すゆっくり一家。 「ゆ! さむいよ」 「さむいよ! さっきまであったかかったのに!!」 「おじさん! へんだよ、きゅうにさむくなったよ!」 別に変な事は何もないんだけどなぁ。 「だって今は冬じゃぁないか。君達がこの部屋に住みだしたのは秋の初め頃だろ? 寒いだろうと思って今までストーブをつけていたのを忘れたのかい?」 ……どうやらそこまで馬鹿じゃないらしい。 俺が言ってから、少し時間がかかったが全員が理解したらしい。 おやおや、雪遊びでもしたいのかな? みんな元気よくガタガタとはしゃぎ回っている。 既に幻想郷は一面中銀世界だ、これだけ雪があればさぞかし楽しいだろう。 「それじゃあ、さよなら。気を付けて帰るんだよ」 楽しそうにしているゆっくり達家族の団欒に、踏み込むなんて無粋な真似はしないさ。 玄関の外まで案内したら、そう一声かけて門を閉じた。 ちょうどチラチラと雪も降り始めた、少し硬そうな雪なのであまり積もらないだろう。 目を閉じると、今までゆっくり達を過ごしていた日々が蘇った。 同時に何故一家を家に置いていたのかも思い出した。 参った、最近は忙しかったからすっかり失念していた。 イケナイ、イケナイ、善は急げだ。 幸い玄関先を確認すると一家はまだ近くにいたので、邪魔をしないように裏口から巣へ向かった。 ゆっくり一家の巣へまでは、これまで何度か足を運んでいるので簡単にたどり着いた。 さすがに冷えるのだろう、ゆっくり霊夢の巣の入り口には、以前来た時にはなかった大量の松葉と石で見事に塞がれていた。 時間が惜しいので乱暴に蹴り崩す、早くしないとゆっくり霊夢達が戻ってきてしまうかもしれない。 散らばったそれらを退かすと、中にはゆっくり団欒していた魔理沙一家。 皆一様に自分に視線を送っていた。 「おじさん、またきたの! ここはまりさたちのおうちなの! あとかられいむたちがうばおうとしたからおいかえしたの!!!」 またまた、お母さん魔理沙が突っかかってきた。 数匹の子魔理沙は随分と大人しいのだが、何時もこれが頑固に自分の家だと主張するので言い争いになっていた。 「もうすぐ霊夢たちが帰ってくるんだけど? やっぱりここを出て行かないのかい?」 「おじさんしつこいよ! ここh!」 時間が惜しい、やっぱり返事はいらないよ。 言葉の代わりに、お母さん魔理沙を外に引きずり出した。 「ゆゆ! おじさんなにするのゆっくりできないなら、すぐにゆっくりいりぐちをなおしてかえってね!!!」 「お菓子をくれようと思ったんだけど……」 「ゆっ! おかし! たべるたべる!! おじさんはやくちょうだい!!」 「わかったよ。おーい、君達にもあげるよ!」 「おじさん!! はやくちょうだい!!」 子供達を呼んでいる間中、お母さんゆっくりはずっとそんな事を言っている。 「わかったよ、口を大きく開けてね」 余りにも煩いので、先にお菓子をあげる事にした。 「!!!???」 涎を流しながら大きく開けている口へ勢いよく押し込める。 とても美味しかったのか、楽しく跳ね回っている親は放っておいて、子供達にもキンキンに冷えたアイスキャンディーを数本、口に押し込んだ。 やはり、親と同様に元気一杯跳ね回る。 ほのぼのとした雰囲気だったが、時間が迫っているのを思い出し、約束通り一家には他所へ移ってもらう事にする。 霊夢達に返してもらうよ、と一声かけて次々と裏側の崖へ落としていく。 この深い谷の下なら、洞窟も沢山あるし雪が入り口を塞いでくれるから、中はとっても暖かくなっているだろう。 別に子ゆっくりはここに残しても大丈夫そうだったが、以前よんだSF超大作にこんな台詞があった。 「間違った指導者を選んだ者の末路だ」 そういうことなので一家全員で、新しい家を探してもらうことにした。 食べ物も与えたし、巣を探しているくらいの間は大丈夫だろう。 あぁ、そういえば霊夢達もストーブの効いた部屋で美味しそうに食べていたなぁ。 ゆっくり達にとっては、冬場の方がアイスを美味しく感じるのだろうか? 夏場にあげた事はないからなんとも言えないが。 等と考えている間に、辺りは薄暗くなってきた。 それにしたがって辺りから物音が消えていく、無音の中で深々と雪が降っているだけだ。 急いで散らかしてしまった石や松葉をかき集める、これは霊夢たちが使っていたのかもしれないから。 しかし、中の食べ物は魔理沙達のものだろう。 さすがのゆっくりと言えども、家をのっとったモノの食べ物は食べたくないだろう。 仕方がないので、全て俺が持って帰ってあげることにした。 ヤギの餌くらいにはなるから。 黙々と袋に詰めていると、日は更に傾いていた。 同時に訪れる、普通の黄昏時とは違う恐怖心。 これ以上ここにいるとこちらの身も危ない、なによりゆっくり達とかち合ったら折角の親子水入らずの邪魔をしてしまう。 手早く荷物をまとめて家路を急いだ。 門の前に着くと、既にそこにはゆっくりの姿はなかった。 巣に戻ったのだろう。 空き巣を心配して裏口を確認するが異常は無いようだ、きちんと鍵をかけていたので当たり前と言えば当たり前なのだが。 その後、食事をして風呂に入り、この記録を書いている。 この二ヶ月間、ゆっくり達を観察して分かった事は以上の通りだ。 明日からは、町外れの木の室に住んでいるゆっくりパチェリーについて観察してみようと思う。 仲良しの霊夢種と魔理沙種と共に越冬しているかもしれないが、それはそれで貴重な記録が取れるかもしれない。 三匹くらいなら十分に面倒を見ることも出来る。 なにより、一人には広すぎる我が家が賑わうのは喜ばしいことだ。 あまり役には立ちそうもないが、ゆっくりを愛する人がこの記録を読んでくれることを切に願う。 想幻210年12月31日 パタン。 今読んでいた本を一旦閉じで目線を上げる。 その先には、紅茶とお菓子をお盆に載せた赤髪が綺麗な司書。 「小悪魔ご苦労様。取り合えず休憩にするから、紅茶をもう一つ持ってきてくれる?」 「??」 対する司書―小悪魔はキョトンとしている。 もうボケたのか? また唐辛子が入ってると思っているのか? いやいや、今日は入れていない 二個いっぺんに飲み干す魔法でもあるのだろうか?。 「あなたも一緒に飲みましょう?」 合点がいった、要するに一緒に飲んだくれよう、と言うわけだ。 「今度は何を読んでいるんですか?」 自分用の特上の紅茶を入れて戻ってきた小悪魔が尋ねる。 パチュリーが自身で手に入れてきた本なので、まだ内容は知らないのだ。 「ゆっくりを可愛がっていた男が残した飼育データよ」 紅茶の違いに気付き、手を伸ばしながら答えるパチェリー。 「そんな本だったんですか? それを持ってくるの苦労したんですよ。パチュリー様と違って、力のない私は水の流れを変えるのだって大変なんですから」 それよりも早くカップを口に運びながら答える小悪魔。 「濡れるのはあなた一人で十分よ。それにこれ面白いのよ、あなたにも後で読ませてあげるわ」 「はぁ。……おかわりをお持ちしますね」 本気でサマーレッドを撃とうとしている事に気付き、急いで特上の葉で唐辛子入り紅茶を作りにいく小悪魔が答える。 外に出歩かず、ゆっくりを見たことがなかった二人は、アレ以来ゆっくりをいじめる事がブームになっていた。 「本当に興味深いわよ。この資料」 男の願いが叶い、その資料はとてもゆっくりを愛している魔女の大図書館に、大切に保管させるだろう。 おまけ編
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仲の良さそうなゆっくり一家がいたので虐待することにした。 れいむ×まりさ&子れいむ2の子まりさ2。 「やあ。ご飯あげるから虐待させてね。」 「いいよ。」 「ゆっくりりかいしたよ。ごはんちょうだいね。」 なんと、許可が出た。 さっそく家に持ち帰った。 「ここが俺の家だよ。じゃあ虐待するね。」 「そのまえにごはんちょうだいね。」 「ちょうだいね。」 俺は野菜クズを撒いた。 「んじゃ、虐待するよ。まずはれいむからね。」 とりあえず足でも焼いてみようと思ったら、なんか抵抗された。 「やめてね。れいむにひどいことをしないでね。」 「あ?テメー虐待していいって言ったじゃねえかよ。バカなの?死ぬの?」 問答無用でコンロにかざす。 周りでギャーギャー他のゆっくりがウザかったけど無視。 すぐにこんがりと焼けた。 「ゆぎゃー。れいむのあしがー。」 「あははー。んじゃ次はまりさを焼くよー。」 「やめてね。まりさはなにもわるいことしてないからぎゃくたいしないでね。」 かまわず焼いた。 焼き饅頭が2匹目になった。 「ゆがあああ。どぼじでごんなごどするのおおお。」 「はいはいゆっくりゆっくり。」 子ゆっくり計4匹も焼いた。 「ゆぴー。」「ゆぴー。」「ゆぴー。」「ゆぴー。」 床でさっきまで幸せそうだった家族が「ゆぐゆぐ」とか言いながら泣いていた。 「おにいさんひどいよ。れいむたちははたけをあらしてないのに。」 「そうだよ。にんげんさんにひどいこともいわなかったよ。」 この家族は害獣とは無縁のゆっくりだったらしい。 でも俺には関係ない。 「だからなんだよ。俺は最初、虐待するって言ったんだよ。」 「ぎゃくたいはわるいゆっくりにするものだよ。」 「そうだよ。はたけをあらすわるいゆっくりにするものだよ。」 「はぁ?何それ。」 「あとにんげんさんのおうちをぬすむわるいゆっくりにもだよ。」 「にんげんさんにわるぐちをいうゆっくりもぎゃくたいされるんだよ。」 なんかいろいろ言ってた。 ようするに、こいつらは群れのゆっくりが害獣狩りされているのを見ていたみたいだ。 ボランティアの中に「ヒャッハー虐待だあー」などと言っていた人を見て勘違いしたらしい。 「ゆるせないよ。なにもわるいことしてないれいむたちをぎゃくたいするなんて。」 「まりさのストレスがマッハだよ。」 ぷんぷん言いながら膨れてる。 「それは制裁というものだ。」 「せいさいってなに?」 「ゆっくりできるものなの?」 「簡単に言うと仕返しだ。ゆっくりできないものだよ。俺は虐待するっていったの。分かる?」 「ゆ?」 「りかいできないよ。」 「お前らが虐待だって思っていたものは、制裁なの。んで、俺がやるっていったのは虐待。」 「?」 「?」 「虐待はね、良い悪い関係なしで酷いことをするんだよ。」 「それはゆっくりできないよ。おにいさんはひどいひとだよ。」 「そんなのだめだよ。そんなことするおにいさんにストレスがマッハだよ。」 「虐待する人なんて最低の人種だよ。悪い人だよ。そんなことも知らないの?バカなの?」 「ゆ・・・。」 「ゆぅ。」 「残念だけど、俺は悪いゆっくりをやっつける正義の味方じゃないんだよ。分かる?」 「だめだよ。ゆっくりできないことだよ。」 「おねがいだからやめてね。」 「虐待って分かっているのに、制裁だと勘違いした君たちが悪いよね。勝手に制裁だと思って、やられたのが虐待だからって文句言わないでね。」 「こんなんじゃゆっくりできないよ。」 「まりさもだよ。」 「ああそう。残念だね。次からはゆっくり理解してね。」 一家はたっぷり虐待されたあと、森に返された。
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……ゆっくりでも育ててみるか。 ある春の日の昼下がり、私はふとそんな事を考えた。 ゆっくり、ここ数年姿を現した不思議生命体を育てるのは金も手間もそれほどかからない。 思い立ったが吉日とさそく準備を始める事にする、まずはゆっくりの用意だ。 それ用のゆっくりは売っているが、本格的に育てるのではないので買うのは却下、なので野良を捕まえてくる事にする。 ゆっくりを探しに家を出て数分、獲物はすぐに見つかった。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 黒い帽子を被った顔のような薄汚れた野球ボールぐらいの物体、ゆっくりまりさという種である。 時間的に昼食だろうか、道端に生えている草を抜いて食べていた。 私は少しだけ考えてこのまりさを育てる事にした、ではさっそく捕まえる事にする。 そのままこっそりと近づいて捕まえても良いのだが、万が一逃げられるのも次を探すのが面倒なので罠を使う。 私は物陰に隠れ、用意していた釣り針に釣り糸を括り付け、コンビニで買った饅頭を刺してまりさの後ろあたりに投げた。 ――ポトン 「ゆ?」 まりさは後ろに何か落ちた事に気付き振り返る。 そしてそれがお菓子だと分かった瞬間、その目の色を輝かせた。 「ゆゆっ! あまあまさんがおちてるよ!!!!」 怪しいとも思わずはしゃいでいる、単純なものだ。 これが長く生きたゆっくりなら怪しむだろうが、あの大きさから見て成人近くの子ゆっくりか、成人して間もないぐらいだろう。 まりさは怪しむ様子も無く、口を大きく開けて餌に向かって飛びついた 「あまあまさんいただきまーす!! むーし……ゆぎぃ!?」 「ゲット」 うまく口内に釣り針が刺さったのを確信、逃げられないのを確認して物陰から出る 「うう、いうえうはうはよ、ゆっふひひへふひょ(ゆゆ、にんげんさんだよ、ゆっくりにげるよ)」 口に針が刺さって何を言ってるか分からないが、逃げようとするのでとりあえず捕まえる。 口の中から針を取ると、文句を言い出す前に持っていたコンビニ袋に入れて口を縛り鞄に入れた。 ゆっくりを捕まえた私はついでに必要なものを買って家に帰ってきた。 買ってきたものを入れた紙袋を机に置き、鞄の中からゆっくりを取り出す。 「ゆ……、ゆ……」 せっかく捕まえたまりさが危ない感じに痙攣していた。 まぁ太い針で口を蹂躙され、そのまま通気性の悪いビニールに詰められ身動きが取れず、狭い鞄の中に放り込んだんだ、当然だろう。 というか考えてみれば良く生きていたものだ、さすがゆっくり無駄に生命力がある。 とりあえず死なれるとまた捕まえに行くのが面倒なので、洗面器に放り込み買ってきたオレンジジュースを少し流し込む。 さて、まりさがある程度回復するまで準備をしておこう…… 「ぺーろぺーろ。……ゆ? おにいさ、ゆっくりしていってね!!」 必要な準備を整えて部屋に戻ると、元気になったまりさが洗面器の底に残ったジュースを必死になってなめていた。 私が来たのに気付いて御約束の挨拶をするとすぐにまた洗面器をなめる作業に戻ったが、もう完全に無くなったのに気付き悲しそうな声を上げる。 「ゆ~、なくなっちゃったよ。……おにいさん、まりさはもっとあまあまさんなめたいよ! ゆっくりもってきてね!!」 おやおや、いきなり催促とは。おそらくあまりお頭の宜しくない固体なのだろうが、まぁ今から育てるのには関係ないので良いとする。 私は返事を返す事無く、まず準備のためまりさをひょいっと持ち上げた。 「ゆ~! おそらをとんでるみたい~!!」 まずこのままでは汚いのでぬるい湯を用意した桶に入れて、ジャンプーで汚れを落とす。 「ゆ~♪ ぶくぶくさんがきもちいいよ~! とってもゆっくりできるね!!」 一通り洗い終えたらシャンプーを流し、柔らかいタオルで体を拭いて、ドライヤーで乾かしてやる。 「まりさ、とってもゆっくりできるよ! おにいさん、ゆっくりさせてくれてありがとう!! おれいにいっしょにあそんであげるね!!」 無邪気にはしゃぐまりさ。そんなまりさを再び持ち上げ、その楽しそうな言葉を発するまりさの口にオレンジジュースで塗らした脱脂綿を詰め込む。 「ううっ!?」 気分は天国から突然の地獄へだろうか? 突然の事に目を見開くまりさだが無視、口に入らなくなるまで脱脂綿を詰め込んでいく、そりゃもうぐいぐいぐいっと。 「ううー!!」(やめてね!! まりさのくちにいじわるしないで……ゆぎゅ!?) あごが外れたのだろうか、白目をむいて痙攣するまりさ。 だが脱脂綿に含まれたオレンジジュースの効果によって死ぬことは無いので無問題。……考えてみれば残酷な生態である。 さて、限界まで詰め込んだのを確認した私は用意していたまな板の上にまりさを寝かせるように横に乗せる。 そして保険のオレンジジュースで前進を塗らした後、包丁を取り出してまりさの底の部分を深めに切断した。 「!!!!!?????!?!!!????!」(うぎぃぃぃぃぃぃぃ、まりさのあしさんがいだいぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?) この時、背の方に斜め気味に切るのがミソだ。続いて剣山を用意して切った部分に突き刺す (やべでぇ……、ぎずぐじざんが……、ぎずぐじざんぐりぐりじないでぇ……) ある程度深くまで刺さったのを確認し、溶かした小麦粉とオレンジジュースを混ぜたものを入れたボールの中にその部分を漬ける。 暫くしてボールの中から出すと、漬けていた足の切り口と剣山が綺麗に一体化していた。 ぬれた部分を拭いて机の上におけば、斜めに切って突き刺していたために少し上を向いたようになるのがポイントだ。 ――ガタガタガタ (ゆっ! ゆっ!! ゆゆっ!!!! あしさんがぜんぜんうごかないよ!? おにいさん、ゆっくりなおしてね!!!) まりさは必死になって体を動かしているが、一体化した剣山が土台となった足が動くはずも無くガタガタ体を揺らすだけだ。 ここまで手を入れたまりさを底に脱脂綿を詰めた鉢植えに入れ、まりさの周りにも一杯になるまで脱脂綿を詰めていく。 (ゆぎぎぎぎぎぎっ!? ぐるじいよ、やめでぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!) この時まりさの体が斜めになっているため、目が鉢植えの外に見えているのがチャームポイントだ。 さて、仕上げだ。周りに脱脂綿にオレンジジュースを水をかけ、脱脂綿を濡らしていく。 (ゆ~、あまあまさんのあじがくちにひろがっていくよ~♪) まりさのめが気持ちよさそうに細まる、周りの脱脂綿を通して口の中の脱脂綿にオレンジジュースが染み渡っていってるのだろう。 また体もほぼ全体がオレンジジュースに浸された状態だ、これで簡単には死なない。 最後の仕上げと買ってきたゆっくり用のアンプル「孕ませありすちゃん200X」を取り出し、暴れないように最後まで被せていたまりさの帽子を退かしてその頭に突き刺した。 (ゆぎぃ!? ……ま、まりざの、おぼうしさんとらないでぇぇぇ!!!!!!) 今度は何かを訴えるような目になるが、その目もアンプルの中身が入っていくにつれトロンとしたものに変わる。 暫くして、中身が完全に入ったまりさの顔は赤みを帯び、からだはぶるぶる震えだし、そして…… (ゆ、ゆ、ゆ、ゆ!! すっきりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!) 最後に一際大きな振るえと共にその額から蔦が伸びて行き、小さなまりさとありすが実った。 (ゆ、まりさのあかちゃん? ゆっくりして……) 「ゆぎゅ!?」 (…………ゆ?) 実ったゆっくり達を鋏で切り取り捨てていく。 切り取られたゆっくり達は親からの送られる栄養の供給をたたれ、苦悶の声を上げながら次々と死んでいく。 (やめてね! ゆっくりやめてね!! まりさのあかちゃんたちをきりとらないでね!!! ゆっくりできなくなっちゃうよ!!!!) 滝のように涙を流すまりさを尻目に、最後のありすを切り取ってその切り口に雑菌が入らないように薬を塗る。 これを何度か繰り返して、程よい数の蔦が揃えば準備は完了でる。 これから暫くの間、まりさを「観葉植物」としてノンビリと育てていくのだ。 壊れたおもちゃのように涙を流すまりさの目に、私は優しい微笑を向けた。 二週間後、まりさから伸びた蔦は青々とした葉が付いていた、きちんと手入れをした為か色も形も実に良い。 そんな生き生きとした葉に対して、根となっているまりさの瞳からは理性が消え、虚ろな物へと変わっていた。 動く事も話すことも出来ず、ただそこにあるというだけの状況に耐え切れず、考える事を止めたのだろう。 それを確認した私は葉の一枚を切り咀嚼する。……甘い、芳醇な甘みが口いっぱいに広がる。 葉の繊維の食感と、柔らかい砂糖のような甘さが口の中で融合し合い、何とも言えぬ旨みを演出していた。 さて説明するとこの葉は『ゆーくりの葉』と言われている、ゆっくりから取れる野菜である。 ゆっくりの餡と同じくゆっくりの感情によって甘みを増すこの葉は、その甘みとは裏腹に食物繊維が豊富で子供のおやつやダイエットのお供に人気の品なのだ。 考えるのを止めるほどの絶望を元としたこの葉は実に深みのある良い味へとなった、そろそろ収穫時だろう。 数も多いし、せっかくなので友人にもおすそ分けする事にした、たしか友人のれいむとれみりゃが子を産んだはずだ、祝いには調度良い。 そう決めると私は蔦ごとまりさから『ゆーくりの葉』を引き抜き、不要となったまりさを燃えるゴミの袋に放り入れ、玄関へと向かった。 【あとがき】 絵でゆっくりを鉢植えに入れて育ててる絵を見て、なんとなく自分も育ててみたくなったので書いてみた。 主人公視点なのにまりさの心の声が書かれてたりと変な所が多いのは自分の実力不足です、もしわけない。 このような作品を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。 【書いた作品】 ゆっくり出来ない時代 このSSに感想をつける
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』17 「さていよいよ、本格的に苦しめる下準備に入りましょっか。 春奈流のゆっくり虐待は手間かかってるよ~。 すごく時間かかるけど、協力お願いね」 「例の「処置」を施した時点で、俺の目的はほとんど達せられたようなものだ。 あとは君に任せるよ」 「はいはい。じゃ、ゆっくり虐待のレクチャーを始めましょ。 圭一さんが前にやっていた方法はね、 スタンダードなんだけど、虐め方としては中の下ってところ」 「そうか」 「ゆっくりを苦しめる方法はいろいろあるけど、 一番効果的なのはやっぱり次の二つ。 「後悔」と「絶望」。 絶望を与える下準備はもうできてるから、後悔のさせかたをお見せします」 「後悔させることが重要なのか」 「それがあるとないとじゃ雲泥の差だねー。 圭一さんのやり方だと、ゆっくりはね、相手を憎むの。 苦しめられるほどにその相手を憎み、 そして、被害者としての自分を憐れむ。 憎悪と自己憐憫、この二つがね、ストレスを発散させちゃうんだな。 プライドの高い生き物だからね、この発散がバカにならないのよ」 「一切発散させずにやるっていうのか」 「そう。そのために必要なのが、後悔。 というわけで、ひとつあたしの手並みを見てってちょーだい」 「ゆっくりしていってね!!」 目覚めた直後、親れいむはすぐに挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周囲のゆっくり達から、反応はすぐに帰ってくる。 傍にいるのは、自分を入れて総勢十三匹の家族。 まりさ種もありす種も揃っており、プラチナバッジを見るまでもなく頭の飾りですぐに判別できる。 今後、長浜圭一に飼われていた十三匹のゆっくりについては、 親れいむ、子れいむというように、「親」と「子」をつけて特に表記する。 そのほかにも、大勢のゆっくり達がいた。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、どの個体も見知った顔だ。 人間ををペットにしたあの森で知り合った群れだ。 ドスまりさは見当たらなかった。 「ゆっくりしていってね!!」 そう言ってぽんぽん跳ねてきたのは、ゴールドバッジをつけたあのれいむだった。 「ゆゆっ、れいむのおはなし、とってもゆっくりしてたよ!! れいむのおねえさんははんせいしてないてたよ!!」 「ゆゆゆ!あたりまえのことをいっただけだよ!!ゆふぅ~♪」 つい顎を反らしていい気分になる。 すでに話は広まっているらしく、群れのゆっくり達もれいむに駆け寄って賞賛しはじめた。 「れいむったらとってもとかいはなのね!!ほ、ほめてあげてもいいのよ!?」 「わかるよー、ゆっくりはせかいいちゆっくりできるんだねー」 「もうをひらかれたわ!ゆっくりのかくめいよ、むきゅ!」 家族たちや金バッジが、自分が人間に向かってしてあげた説教の内容を群れに伝えたらしい。 「とってもゆっくりできるおはなし」として、群れの皆が感動していた。 親れいむはいまや革命家、ヒーローとなり、一目置かれ尊敬されている。 周囲で飛び跳ね、自分を称賛するゆっくりに囲まれ、 親れいむはいよいよ顎を反らし、ブリッジせんばかりにひん曲った。 「ゆっふぅぅぅ~~~~~ん♪ にんげんさんはばかだから、 あんなかんたんなこともおしえてあげなきゃいけなくてゆっくりできないよ! ゆふんっ♪ゆふんっ♪」 仲間同士でひとしきり盛り上がったあと、親れいむはふと我に返って聞いた。 「ゆっ、ここはどこ?」 そこは見渡す限りの荒野だった。 荒野というよりも岩場。地平線まで無限に続くその荒れた地面には、 ぺんぺん草一本生えておらず、水の気配もない。 しかし、ゆっくりは大勢いた。 自分たちの群れと離れたところに、 ちょうど自分たちと同じ規模の群れが固まっているのが見えた。 他のあらゆる方向にも、ほぼ同じぐらいの間隔を開けて、同規模の群れがいる。 なかば群れのリーダー的な気分になっていた親れいむは、 声をはりあげて、前方にいる群れに向かって挨拶をした。 「ゆっくりしていってね!!」 同時に、向こう側の群れも挨拶をしてきた。 挨拶に挨拶を返すのではなく、まったく同じタイミングで挨拶をしたのだ。 「ゆゆっ!!ゆっくりできるね!!ゆっくりしていってね!!」 そう言い、ゆっくり達が互いに近づいていく。 しばらくの間群れは跳ねながら相手の側に近付いていった。 見ると、自分たちの左右方向にいる群れも、 自分たちと同じように、前方に向かって進んでいるようだった。 突然、先頭のゆっくりが向こう側の先頭のゆっくりに激突した。 「ゆびゃっ!!なんでよけないのおぉぉ!?」 あちこちで激突が繰り返され、互いに罵り合うゆっくり達。 「ゆゆっ!!これはかがみさんだよ!!ゆっくりやめてね!!」 金バッジのれいむが叫んだ。 「ゆっ?なにそれ?ゆっくりおしえてね!」 「かがみさんはきれいなかべさんなんだよ! それで、れいむたちのすがたがみられるんだよ!! ここにうつっているのはれいむたちなんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 そんな事が、と疑いながらも、 鏡の前で動いているうちに、目の前にいるのが自分の鏡像だということを理解するゆっくり達。 「ゆゆっ!かがみさんはおもしろいよ!!」 「ゆっくりできるね!!」 始めて見る鏡にはしゃぎ、跳ねまわってゆっくり達。 たっぷり一時間は騒いでいたが、 そのうちに、一同は空腹を感じ始めた。 「ゆっくりごはんさんをさがすよ!!」 群れは再び鏡にそって移動しはじめた。 しかし、どこまで行っても岩場と硬い土だらけで、雑草さえも見当たらない。 長い探索を経て、 一見どこまでも広がる荒野に見えたこの土地は、 四方が鏡張りの壁に囲まれた、密閉された空間であることがわかった。 初めは沢山いると見えた群れもどうやらすべては鏡像で、 実際には群れひとつ、自分たちしかここにいないようだった。 当然、どちらを向いても餌になるようなものは一切見受けられない。 「ゆぅ~……ゆっくりできないよ……」 「おなかすいたよ!!かわいいれいむをゆっくりさせてね!!」 「まりさはかりがとくいなんでしょおぉぉ!?はやくごはんさんをあつめてねぇぇ!!」 口々に不平をこぼしはじめるゆっくり達。 空腹はつのるばかりだった。 何時間かが過ぎ、ゆっくり達の不平が頂点に達したころ、状況に変化が現れた。 鏡張りの壁のある一面が、突然ぱっと向こう側の風景を映し出した。 それまでこちらの姿を映しているだけだった壁が、いきなり隣の空間を映し出し、 ゆっくり達の視線は自然とそちらに集まった。 そこは天国だった。 こちら側よりもずっと広く、天井が高い。 そこは階段やしきりがあちこちに配備された多層的な空間になっており、 数多くのゆっくり達がそこかしこにひしめいている。 ふかふかしたクッションの載ったソファや天蓋つきのベッドの上でゆっくり達が心地よさげに眠っている。 ブランコや簡易メリーゴーラウンドやトランポリン、 マットの上で飛び跳ねることでゆっくりでも操作可能な単純なビデオゲームなど、 飼いゆっくりでさえ想像したこともないほど豪華で楽しそうな遊具で、ゆっくり達が遊びに興じている。 床にはとても食べ切れないほどの果物やお菓子が盛られた大皿があり、 小腹がすいたゆっくりが、気の向くままに近づいてはかじりついていった。 ソフトクリームやオレンジジュースのサーバーがあり、 使い慣れたゆっくりは器用にハンドルを操作してコップに注いでいる。 壁の透過に伴い、向こう側の音も伝わってきていた。 家族ですーりすーりしてリラックスしているゆっくり達。 遊具で飛び跳ね、歓声をあげる子ゆっくり達。 室内には、なんだか複雑でよくわからないが、非常にゆっくりできる音楽が流されていた。 そして、そこにいるゆっくり達は、どれもが極上の美ゆっくりだった。 手入れの行き届いたさらさらの髪ともっちりした肌、きらきらした瞳に色鮮やかな髪飾り。 かつて群れの中ではあこがれの的だったゴールドバッジのれいむでさえ、 このゆっくり達を前にすると、急にみすぼらしく思えてきた。 「ゆゆゆうううぅぅ~~~~~………!!!」 群れの全員が、きらきらと目を輝かせて涎をたらす。 これ以上ないゆっくりプレイスの現出。 自分たちもその恩恵に浴することができると全員が確信している。 「ゆっくりしていってね!!!」 群れの全員がガラス壁に駆け寄り、飛び跳ねて挨拶をした。 それは向こう側に伝わったらしく、向こう側のゆっくり達がこちらに視線を向けてくる。 群れのゆっくりはますます声を張り上げて要求した。 「れいむたちもいれてね!!れいむたちはそこでゆっくりするよ!!」 しかし、答えは返ってこなかった。 返答するどころか、不快そうに眉をひそめるもの、 せせら笑うもの、こちらを無視して何事かひそひそ話しているもの、 どれもこれもとても友好的とは言えない反応だった。 苛立ちながら親れいむ達は要求を重ねる。 「ゆゆっ!!きいてるの!?かわいいれいむたちがおなかをすかせてるんだよ!! きこえないの!?ばかなの!?しぬの!?ゆっくりいれてね!!」 叫びながらガラスに体当たりをしはじめたゆっくり達を見ながら、 向こう側のゆっくり達はひとしきり相談したあと、こちらに向かってきた。 「ゆゆゆっ!!れいむたちをいれるきになったんだね!! そこはれいむのゆっくりぷれいすにしてあげるからね!!ゆっくりしていってね!!」 向こう側のゆっくりは、荒野とゆっくりプレイスを隔てるガラス壁の隅まで行き、 そこの扉を開いた。 隅のそこだけは扉になっており、開くようになっていた。 「ゆゆうぅぅ!!」 矢も盾もたまらず、扉に殺到してゆく群れ。 しかし、小さな扉の前に立ちはだかり、そのゆっくり達は言い放った。 「ゆっくりできるね!!」 「ゆゆっ!?」 珍妙な声を受け、群れは戸惑った。 今のは何だろうか。 ひとまず、普段どおりに反応してみる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりできるね!!」 向こう側のゆっくりは、先ほどと同じ挨拶を繰り返した。 「ゆゆっ!?そのあいさつはへんだよ!!ゆっくりできないよ!!」 「そっちのほうがゆっくりできないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 理解し難いことを言ってきた。 なんだこいつらは? 扉から出てきた向こう側のゆっくり達は、 おおよそ総勢十匹程度だった。 種族は、れいむ、まりさ、ありす種の基本三種に加え、希少種もちらほら見受けられる。 図抜けて美しいということを除けば、一見ごく普通の外見だったが、 よく見ると、全員がリボンに特殊な飾りをつけていた。 白く光る銀製のその飾りは、アルファベットのYの形をしている。 「よくわからないけど、さっさとれいむたちをいれてね!!」 「だめだよ!! ここにはいっていいのはにんげんさんと、ゆっくりできるゆっくりだけなんだよ!!」 Yの飾りのまりさがはっきり言い放った。 「ゆゆっ!?うそはゆっくりできないよ!! にんげんさんなんかいないよ!!」 「いまはいないけど、ときどききてくれてゆっくりさせてくれるんだよ!!」 「ゆっ!!どれいにしてるんだね!!」 そう言った瞬間、Y飾りのゆっくり達が大声で怒鳴った。 「どれいじゃないでしょおおおおおお!!!くちをつつしんでねえええぇぇ!!!」 「ごみくずがにんげんさんにそんなくちをきいていいとおもってるのおおおおぉぉ!!?」 「ごめんなさい!!ごめんなさい!!にんげんさんごめんなさいいい!!」 異常なほどの怒りをあらわにして食ってかかってくる。 この場にいもしない人間に向かって詫びはじめるやつまでいた。 「ゆゆゆっ!?にんげんさんなんかにあやま」 「ゆっくりだまってね!!!」 Y飾りのれいむが叫ぶ。 群れのゆっくり達は、その迫力に思わず身をすくませてしまった。 「れいむたちはゆっくりできないね!!ここにはむかえいれられないよ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!? れいむたちはとってもとってもゆっくりできるんだよおおぉぉぉ!!!」 「どこがゆっくりできるの?」 「みてわからないのおおぉぉぉ!?ばかなのおおぉぉ!?」 「それじゃあ、これからてすとをするよ!!」 Y飾りのまりさが鋭く叫んだ。 同時に、固まっていた十数匹のY飾りのゆっくり達が散らばって移動し、 品定めするように群れの先頭にいた親れいむを取り囲んだ。 「ゆゆっ?てすと?」 「れいむたちがほんとうにゆっくりできるゆっくりかどうかてすとをするよ。 れいむたちがみんなをゆっくりさせられたら、ゆっくりぷれいすにいれてあげるよ!」 「ゆゆっ!!かんたんだよぉ!!」 「それじゃあ、みんなをゆっくりさせてね!! ゆっくりはじめてね!!」 「ゆゆゆっ!!」 テストが始まり、親れいむは気合いを入れた。 「がんばってね!!がんばってね!!」 「ゆっくりぷれいす!!ゆっくりぷれいす!!」 群れの仲間たちが応援している。 全力でこいつらをゆっくりさせてやる。れいむは意思を固め、行動に移った。 「ゆっくりしていってね!!!」 全身にゆっくりパワーを漲らせた、渾身の挨拶だった。 顔に浮かべた笑みも、飛び跳ねる高さも、これまででの自己ベストを叩きだしたという自信があった。 親れいむは勝利を確信した。 しかし、帰ってきたのは冷たい沈黙だった。 Y飾りのゆっくり達は、誰もが冷やかな無表情で親れいむを眺めている。 「ゆゆゆっ!?」 取り囲むY飾り達を前にきょろきょろして狼狽する親れいむ。 どうしたのだ。 もしかしてよく見ていなかったのだろうか。そうだ、そうに違いない。せっかくの渾身の挨拶を。 腹が立ったが、それより空腹のほうがせっぱつまっていたので、 さっさと終わらせるべく親れいむは再度挑戦した。 「ゆっくりしていってね!!!」 それでも、帰ってきたのは失笑だけだった。 そればかりか、Y飾りのまりさが言い放ってきた。 「はやくゆっくりさせてね!てすとはもうはじまってるよ!!」 「ゆゆゆっ!?なんでゆっくりしないのおぉぉ!!?」 「ゆっ?もしかして、いまのがゆっくりさせてたの?!」 不思議そうに聞き返され、親れいむは屈辱に赤面した。 今まで、あの挨拶をされたゆっくりは皆が笑顔で挨拶を返してくれた。 れいむの可愛い挨拶を見れば、誰もがゆっくりするはずなのだ。 その確信が、今揺らぎはじめていた。 「れいむはゆっくりできないね!しっかくだよ!!」 「ゆゆゆぅぅぅ!!?まってね!!まってね!! かわいいれいむのゆっくりしたあいさつだよ!!こんどはほんきだよ!!」 三度目の、渾身の「ゆっくりしていってね!!!!」。 こんなにゆっくりできる挨拶は、本来、心を許した親友や家族にしか見せない。 しかし、返ってきたのは侮蔑と嘲笑だった。 「れいむ。ぜんっぜんかわいくないよ」 「じぶんのことをかわいいとおもってるんだねー、わかるよー」 「いたいたしいね……」 「みてるほうがつらいから、もうやらないでね。ごめんね」 親れいむは顔中を真赤にして涙を浮かべていた。 「ゆ………ゆ………」 恥辱と悔しさに歯軋りし、とめどなく涙があふれ出す。 生涯最高の屈辱だった。 「泣いてる、泣いてる。効くねえ」 「こんな顔は初めて見るな。子供を殺してみせた時でさえ、こんな表情は見られなかった」 「この前確認したとおり、ゆっくりにとっては可愛さが最高の価値観であり存在意義なの。 ゆっくりが可愛いからこそ他の生き物はゆっくりしている、だからゆっくりが一番偉いと信じてるぐらいだから、 可愛くない、ゆっくりできない、と言われるのがゆっくりには何よりの苦痛なんだね」 「同じゆっくりに言わせる、というのがやっぱり重要なんだな。 人間が言ってやったところで一蹴されるだろうし」 「しかも、言ってるのは極上の美ゆっくり達だもんね。 そんな相手に言われちゃ反論もできない。 自分の存在価値を全否定されるというのは、人間だったら自我が崩壊するくらいの苦しみだろうねー」 その他にも、自信家のゆっくり達が何匹か挑戦したが、 どのゆっくりの挨拶も侮蔑と冷笑で応えられ、屈辱に歯噛みすることになった。 ついにはY飾りのまりさが宣告した。 「あいさつはもういいよ!! それしかできないならゆっくりできないね!ゆっくりぷれいすにはいれられないよ!!」 「ゆゆううううぅぅぅぅ!!?」 群れに背を向け、ゆっくりプレイスに戻っていこうとするY飾り達。 親れいむが必死になって呼び止めた。 「ゆ、ゆっくりまってねぇ!! まだあるよ!!れいむはとってもゆっくりできるんだよ!!」 「あいさつならもういいよ!」 大義そうに振り返るY飾り達に、親れいむは跳び上がって言い放った。 「れいむはゆっくりできるおうたがうたえるよ!!」 「ゆゆっ!?」 Y飾りの目の色が変わる。 「おうたがうたえるゆっくりはとかいはよ!!むしできないわね!!」 「それをはやくいってね!!まりさたちもおうたがだいすきなんだよ!!」 「ゆゆっ、どんなおうたかたのしみね!!」 「おうたはゆっくりできるよ!!てすとをさいかいするよ!!」 いそいそと親れいむを取り囲み直すY飾り達。 余程歌が好きらしく、期待に目を輝かせている。 その反応を見て、得たりとばかりに親れいむは顎を反らした。 「ゆっふっふ!!れいむのびせいによいしれていってね!!」 早くも勝ち誇り、親れいむは歌いはじめた。 「ゆっゆっゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪ゆゆゆ~ゆっくり~♪」 群れのゆっくり達が、親れいむの歌に合わせて体を揺らしてリズムをとっている。 いつもながらの自らの美声に陶然となり、親れいむはますます声をはりあげた。 「ゆっくり~のひ~♪すっきり~のひ~♪まったり~のひ~♪」 目を閉じながら自らの音韻に心身をゆだねて歌い続ける。 「ゆっゆゆ~ゆゆ♪ゆっゆっゆ~♪ゆっくり~ゆっくり~♪」 喉の調子は最高だ。 これならこのY飾り達もゆっくりせざるをえまい。 山場にさしかかり、親れいむは片目を薄く開けて観客の反応を確かめた。 これ以上ないほどローテンションの無表情がれいむを取り囲んでいた。 「ゆ、ゆゆゆっ?」 思わず歌を中断してしまった。 うっとり聞き惚れているはずのゆっくり達が、全くゆっくりしていない。 親れいむの心に、再び不安の影が差し始める。 親れいむが歌いやめたのを見て、先頭のY飾りまりさが面倒臭そうに言った。 「れいむ。それはなに?」 「ゆゆっ!?おうたでしょおぉ!?」 「…………ゆっくりわかったよ……」 Y飾りまりさは深いため息をひとつつくと、仲間たちとひそひそ話し始めた。 どのY飾りもゆっくりしていない、不快そうな顔で喋っている。 親れいむは、冷や汗が自らの全身をつたうのを感じた。 やがてYまりさが向きなおって言った。 「れいむ。れいむはおうたをしらないんだね?」 「ゆゆゆっ!?なにいってるのおぉ!?れいむはおうたがとくいなんだよおぉ!?」 「まりさ。もういいわ、ほっときましょう」 「いなかものにきたいしたありすがばかだったわ」 Y飾り達の会話に、れいむは再び赤面する。 Yまりさが言い渡した。 「おうたはこうやるんだよ。みんな、じゅんびしてね!」 たちまち、Y飾りのゆっくり達が散開して扇型に並び直した。 居並ぶY飾り達の前方にYまりさが向かい合って立つ。 おさげには妙な棒を握っていた。 Yまりさが棒をひと振りすると、Y飾り達がいっせいに歌い始めた。 群れのゆっくり達を衝撃が襲う。 それは音の乱舞だった。 Y飾り達が声をあげ、転がし、跳ね、躍らせる。 まりさの振るタクトに合わせ、あちらのゆっくりが歌えばこちらのゆっくりが休む。 何重にも重なる音階とリズムが繰り広げるメロディーの洪水。 それらの音韻はゆっくり達をおののかせた。 歌い終え、Yまりさが振り返って言った。 「これがおうただよ。「じーせんじょうのありあ」っていうんだよ」 よくわからない。 ゆっくりできた、というわけでもないが、 その歌を前にした親れいむは、 自分のがなり立てていた雑音がたまらなく恥ずかしくなっていた。 自分が歌だと思っていたのは何だったのだろう。 「もういちどきくよ。れいむはなにがうたえるの?」 「ゆ……ゆ……れいむ…れいむは………」 親れいむはまた涙目で赤面し、へどもどと口を濁すしかなかった。 見切りをつけ、Y飾り達が再び戻ろうとする。 しかしまた、それを呼び止める者がいた。 親まりさだった。 「ゆっへっへ!まりささまがほんきをだすときがきたようなんだぜぇ!!」 「……まりさはゆっくりできるの?」 「ぐもんなんだぜ!!まりさいじょうにゆっくりできるゆっくりはいないんだぜ!!」 「どうゆっくりできるのかいってね!」 「まりささまはとってもつよいんだぜ!!つよいまりささまがおまえたちをまもってやるのぜ!! まりささまがまもってやってるからこのむれはゆっくりできるんだぜえ!!」 群れのほうから不平の声がいくつかあがったが、親まりさはまるで聞いていない。 Y飾りのまりさが答えた。 「ゆっ、じゃあまりさのつよさをてすとするよ! まりさたちのだれかとたたかってかったら、ゆっくりできるとみとめてあげるよ!!」 「ゆっへっへっへ!!さっさとするんだぜええ!!」 Y飾り達が顔を突き合わせて相談していると、一際高い声が上がった。 「むきゅ!!ぱちゅりーがいきゅわ!!」 「はああぁぁぁ~~?」 親まりさが唇をゆがめていると、そのぱちゅりーが前に進み出てきた。 Y飾りをつけたそのぱちゅりーは、年端もいかない子ゆっくりだった。 ゆっくりの中でも特別脆弱なぱちゅりー種の、それも子供。 意外な挑戦者の登場に、群れが騒ぎ出す。 「ゆゆっ!!あぶないよ!!やめてね!!」 「ゆっくりごろしはみたくないよー、わかってねー」 Y飾りの側も騒いでいた。 「ぱちゅりー!ゆっくりかんがえなおしてね!!あぶないよ!!」 「ぱちゅりーはまだこどもでしょおぉ!?おかあさんにまかせておきなさい、むきゅ!!」 「しんぴゃいいらにゃいわよ!!ぱちゅりーはもうおとにゃなのよ!!」 「ゆっへっへっへっへ!!とりけしはきかないんだぜええ!! いちどやるといったからにはさいごまでやるのがゆっくりできるのぜええ!!」 親まりさは得たりとばかりにY子ぱちゅりーににじり寄った。 なんだか知らないが、勝てばテストに合格できるのだ。 「ちゃんすをみのがすほどまりさはばかじゃないんだぜえ!!ゆっへっへっへえ!!」 「ゆ、しかたないよ………」 Yまりさがあきらめたようにうなだれた。 「それじゃあ、ゆっくりはじめ………」 「ゆっくりしね!!!」 開始が宣せられる前に、親まりさはつっかけていた。 大きく跳び、Yまりさのほうを向いていたY子ぱちゅりーにのしかかる。 Y子ぱちゅりーは親まりさの下敷きになって見えなくなってしまった。 「やったのぜ!!かったのぜ!!しとめたのぜぇ!! げらげらげらげら!!やるっていったのはそっちなんだぜぇぇ!!!」 「………ゆっくりはじめてね」 Yまりさが、改めてテストの開始を宣告した。 「ゆっ?もうおわっt」 「むっきゅ!!」 親まりさは、ひねりを加えて高々と投げ飛ばされた。 きりもみながら頭から地面に激突し、 状況が理解できないまま激痛に身もだえる。 「ゆがあああぁぁ!!いたいのぜえええぇぇ!!」 「むっきゅうぅん!!」 横っ面に体当たりを受け、親まりさは再び大きくバウンドして転がった。 欠けた歯を吐き出し、泣き叫ぶ一方で、親まりさの視界は向かってくる相手を捉えていた。 まごうかたなき、それはY子ぱちゅりー。 「なんなのぜええええぇぇ!!?」 「むっきゅりしにぇ!!」 猛烈な頭突きを顔面の中心に受け、親まりさはさらに吹っ飛んだ。 Y子ぱちゅりーは縦横無尽に飛び回り、その後も親まりさを蹂躙しつづけた。 親まりさはほぼ無抵抗で、泣き叫びながら逃げ惑うばかりだった。 群れは呆然とそれを眺め、Y飾りのほうは焦って騒いでいる。 「やっぱりぃ!!こどもだからてかげんができてないよ!!」 「むきゅ!!ぱちゅりー、もうやめなさい!!しんじゃうでしょおぉ!?」 「こにょまりちゃはひきょうなてをつかっちゃわ!! にゃにをされちぇももんきゅはいえにゃいわよ!!むきゅ!!」 「いいかげんにしてね!!にんげんさんにおこられるよ!!」 「むきゅっ!!」 Yまりさに叱りつけられ、Y子ぱちゅりーはしおらしくなって仲間の元に帰った。 「むきゅう、ごめんなしゃい……」 「わかればいいんだよ!よくやったね!!」 群れは言葉もなく立ち尽くしているばかりだった。 親まりさのほうは、また何本も歯を折られ、傷だらけでゆっゆっ呻いていた。 「とかいはなありすがゆっくりさせてあげるわ!!」 次に進み出たのは親ありすだった。 「……ありすはどうやってゆっくりさせるつもり?」 「ゆふんっ!!」 親ありすは顎を反らした。 その顎の中心ではぺにぺにが屹立している。 「ありすのとかいはなてくにっくですっきりさせてあげるわ!! ありすのあいをうけたゆっくりはとってもゆっくりできるのよ!!」 「…………」 Y飾り達が軽蔑の視線で親ありすを眺めているが、親ありすは頓着する様子はない。 「ゆふふ、みんなつんでれさんねええ!! はずかしがらなくていいのよ?!えんりょなくとびこんでいらっしゃああい!!」 「……ちょっとだまっててね」 Y飾り達が再び相談し、結果、また一匹が選び出されて進み出た。 「まりしゃをしゅっきりさせちぇね!!」 進み出てきたY飾りのまりさは、またも子ゆっくりだった。 早くもぺにぺにから先走り汁を垂らし、親ありすは猛り狂った。 「ゆっほほほほおおおおおおお!!」 「それじゃあてすとをはじ」 「こどもまむまむこどもまむまむこどもまむまむうううううぅぅぅぅ!!!!」 はやくも理性を飛ばし、先ほどの親まりさと同じく開始宣告前につっかける親ありす。 激突するようにY子まりさに密着し、素早くへこへこと顎を振り始める。 Y飾り達はこれ以上ないほどの蔑みの視線で眺めていた。 群れの仲間たちの中にも目をそらす者は多かった。 「んほっほっほっほほほほおおおおお!!! まりさかわいいよまりさああああああ!!! まりさのおはだすべすべでとってもとかいはよおぉぉぉ!!!」 涎と体液をまき散らしながらピストン運動を速める。 手入れの行き届いたY子まりさの肌は親ありすの快感を著しく高め、 早くも絶頂が訪れようとしていた。 「いぐ!いぐいぐいぐいぐいぐぅぅぅ!! あでぃずのどがいばなあいをうげどっでねえええぇぇぇ!!! す!!すすすすすすっきりいいいぃぃーーーーーーーーーーー!!!」 絶叫しながらびくんびくんと痙攣する親ありす。 絶頂を迎えてようやく余裕ができた親ありすは、Y子まりさを見下ろしながら声をかけた。 「ゆふう、ゆふう……まだまだあいしあいましょうねえ……?」 「………………」 親ありすはぎょっとした。 Y子まりさは妊娠もせず、冷めた目でありすを見上げているだけだった。 「ゆゆゆっ!?まりさったらつんでれさんねえええ!! すなおにかんじてもいいのよおおおおぉ!!」 「……にゃにしてるにょ?」 「ゆっ!?」 親ありすの目元に狼狽が浮かぶ。 「と、とかいはなあいにきまってるじゃない!!いわせるなんてやぼないなかものね!!」 「まりしゃ、しゅっきりちてにゃいよ。 しゅっきりならはやきゅちてにぇ」 「も、も、も、もちろんよおおぉぉぉ!! こんどはほんきであいしてあげるわあああぁ!!!」 言うが早いか、屹立したぺにぺにをY子まりさのまむまむにつき立てて顎をふり始める。 再び涎をまき散らし、親ありすは極楽浄土の快楽に身をゆだねた。 Y子まりさの胎内に精子カスタードを放出し、親ありすは愛の成就を確信した。 「ゆふう………ありすのあかちゃん、だいじにそだててね!!」 「あかちゃんってにゃに?」 Y子まりさはやはり冷めた目で眺めていた。 「ゆゆゆっ!?」 ゆっくりの交尾は、互いがすっきりすることでにんっしんっする。 仮に意にそまない強姦であっても、性欲が高く感じやすいゆっくり種はたやすくオーガズムに達し、 ほぼ100%の確率でにんっしんっに至る。 しかし、Y子まりさはにんっしんっしていなかった。 すっきりしていないのだ。 それどころか、親ありすの粘液にまみれながら、自身は粘液の一滴もしたたらせていない。 「よだれをまきちらしてるよ。みっともないね……」 「あんなけだものがとかいはをなのってるの?いなかはそうぞうをぜっするわね」 「ひとりよがりなおなにーなんだねー、わかるよー」 「せんずりー!!」 Y飾り達が蔑んでいる。 親ありすはうろたえたが、すぐに気を取り直した。 「ゆふふ!!まりさはちょっとつんぞくせいがつよすぎるわね!! ありすのてくにっくではやくでれなさああああい!!」 まむまむに舌を這わせ、体をからみつかせ、 かつて人間に教わったあらゆるテクニックを駆使して親ありすはY子まりさを責める。 しかし、どれだけやってもY子まりさには快感のきざしさえ見受けられなかった。 親ありすばかりがすっきりし、無為に精子カスタードを吐き散らすばかりだった。 「ゆふう……ゆふう……なんでえええ……… ぜつりんすぎるわああああ………」 「もういいよ!!きもちわりゅいだけだっちゃよ!!」 Y子まりさは苛立って叫んだ。 「ありしゅはじぇんじぇんへたくちょだにぇ!! しゅっきりはこうやりゅんだよ!!」 Y子まりさは舌を伸ばし、親ありすの体に這わせた。 「ゆふんっ」とよがり出す親ありすの体を慎重に丹念に調べていき、 親ありすの反応が強くなる部分を確かめると、 その性感帯を、バイブレーターのように舌を動かして攻めはじめた。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆほほほほほほほほほおおおおおお!!!」 たちどころに親ありすはすっきりさせられた。 それでも休むことなく、Y子まりさの舌は別の性感帯を探り当て、再び振動を始める。 「ゆっほほほほほおおおお!!!ずっぎりいいいいいぼうやめでええええええ!!!」 子ゆっくりに、しかも舌だけですっきりさせられるという屈辱に顔を歪めながら、 衆目の注視のもと、親ありすはのたうちまわりながら何十回もすっきりさせられた。 自らの精子カスタードの海の中でぐったりしている親ありすに向かって、 Y子まりさは言い放った。 「こりぇはいちびゃんきほんてきにゃてくにっきゅだよ! こんにゃのでこんにゃにしゅっきりしゅるゆっきゅりははぢめちぇだよ!!」 Y飾り達がせせら笑った。 恥辱に歯噛みする親ありす。 「ありしゅのきゃお、しゅっごくばきゃみたいだっちゃよ。 ちょきゃいはにゃあいをうけちょっちぇにぇええええ~~!!」 親ありすの顔真似をして、 子まりさは歯をむき出し舌をへろへろさせてみせる。 Y飾り達ばかりか、群れのゆっくりまでが笑いだした。 「ありしゅはちょっちぇもちょかいはだにぇ!! こんにゃにわらわしぇちぇくれちゃもんにぇ!! でみょ、でおちだきゃらもうにどとやらにゃくちぇいいきゃらにぇ!!」 笑いながら、子まりさは群れの元に帰っていった。 親ありすは地面に突っ伏して泣きじゃくっていた。 「ぱちゅりーはもりのけんじゃなのよ!」 最後に叫んだのは、群れの参謀役を務めていたぱちゅりーだった。 「……ぱちゅりーはなにができるの?」 「ぱちゅりーのちしきはぼうだいなのよ。 このほうふなちしきで、ぱちゅりーはむれをゆっくりさせてきたわ。 あなたたちもゆっくりさせてあげられるわよ!」 「はいはいゆっくりゆっくり……」 いい加減うんざりしているらしいY飾り達だったが、 それでもまた相談を始めた。 群れの中から選ばれて進み出たのは、またも子ゆっくり。 「じゃおおおおおん!!」 めーりん種だった。 「むきゅぅぅ!?」 「このこよりちしきがあったら、ゆっくりできるとみとめてあげるよ!!」 「むきゅう!ばかにしないでよ!」 ぱちゅりーは怒った。 子ゆっくりの、それもめーりん。 めーりん種は希少種の一角だが、 「じゃおーん」という鳴き声しか発せられないために、 ゆっくりの中では蔑まれ、苛められている。 そんなめーりんと知恵比べをさせられるという状況が、 ぱちゅりーのプライドを傷つけていた。 「こんなばかがぱちゅりーのあいてになるわけないでしょ!? しょうぶするならほかのにしなさいよ!」 「はいはい、はじめるよ。 まりさがしつもんをするからゆっくりこたえてね!!」 そう言い、Yまりさが二匹の前に立った。 「それじゃだいいちもんだよ!! 「みろのびーなす」のみろは、なにからつけられたなまえ?」 「むきゅ?」 ぱちゅりーは首をかしげた。みろのびー、何? 何を言ってるのかよくわからない。 隣では、Y子めーりんが鉛筆を咥えてスケッチブックに何か書きつけていた。 書きつけたスケッチブックを差し上げ、Y子めーりんが高らかに叫ぶ。 「じゃおおおん!!」 スケッチブックには、「発見された島の名前」と書いてあった。 「ゆっ!めーりん、せいかいだよ!!」 「じゃおおおぉん!!」 「ま、ま、まちなさいよ!」 ぱちゅりーは叫んだ。 「も、もんだいのいみがわからないわ!ひきょうよ!」 「なにがひきょうなの?」 「いみがわからないって……まさか、みろのびーなすをしらないの?!」 心底驚いたという風で聞き返してくるY飾り達。 ぱちゅりーは言葉につまり、必死に取り繕った。 「ちょ、ちょっとめんくらっただけよ! こどもあいてだからようすをみたのよ!」 「そうだよね!!つぎはほんきをみせてね!! だいにもんだよ!! せかいいちめんせきのひろいさばくは?」 さばく? その意味をなんとか推測しようとしているうちに、 Y子めーりんがまたもスケッチブックを差し上げて叫んだ。 「じゃおおおん!!」 「さはらさばく!めーりん、せいかいだよ!!」 「むっきゅうううぅぅ!!?」 その後、何回にもわたってぱちゅりーの自信は粉々にされていった。 「せかいしぜんいさんにはじめてにんていされたのはどこ?」 「がらぱごすしょとう!めーりん、せいかいだよ!!」 「えんしゅうりつの、しょうすうてんだいじゅういのすうじは?」 「ご!めーりん、せいかいだよ!!」 「せかいでいいちばんながいきょくはなに?そのえんそうじかんは?」 「えりっく・さてぃの「う゛ぇくさしおん」、じゅうはちじかん!めーりん、せいかいだよ!!」 「ぱちゅりー、さっきからぜんぜんこたえてないよ!!どうしたの!?」 「む、む、むきゅうぅ……!」 「もしかしてひとつもわからないの!?」 ぱちゅりーは涙目になり、ぎりぎりと歯を食いしばるしかなかった。 「………ゆっくりわかったよ。もういいよ。 めーりん、もどってきてね。よくやったね!」 「じゃおーん」 テンションの低い鳴き声を上げ、 いかにも無駄な時間を過ごしたというようにY子めーりんは仲間の元に跳ねていった。 「ほかにゆっくりできることはないの?」 Yまりさが群れを見渡したが、もはや答えるものはいなかった。 何をしようとせせら笑われるだけだとわかった今、 挑戦しようという気概はすでに消え去っていた。 「ゆ、ぜんぜんだめだったね。 かわいくないし、おうたもしらないし、よわいし、すっきりもへただし、あたまもわるいよ。 そんなんでだれをゆっくりさせるつもりなの? そんなゆっくりできないいきものはなかにいれられないよ!!」 群れのいずれもが、プライドを完全に破壊されて泣きじゃくっていた。 その後、群れは泣き喚いて懇願したが、 Y飾り達に体当たりを受けて転がされ、拒絶された。 扉は閉まり、ほどなくしてガラスの壁は元の鏡に戻ってしまった その晩、群れは岩場の真ん中ですすり泣きながら眠った。 「よしよし、うまくいってるね」 「おいおい、なんなんだ、このゆっくり共は……」 「ハーバード大学のほうで実験してたゆっくりでね、 ま、ちょろちょろっと改造してみただけ。 ゆっくりの潜在能力っていうのはすごくてね、 ちょっとリミットをいじってやるだけでいくらでもすごい事ができるようになるよ」 「言葉もないな」 「このゆっくり達を使って、自尊心と価値観を徹底的に壊し、洗浄する。 まずこれをやっておかないと、何を教えようとしても無駄だからね。 第一段階は順調ってとこかな」 続く
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※前作 ゆっくりが実る木 の続きです ※前作を読まなかった人でもわかるよう前回のあらすじっぽいのが置いてあります ※お兄さんが悪夢にうなされます ※変態ネタがあります。 ※何度も似たような夢を見ます ※パロディがあります 「ゆっくりから生えるゆっくりが実る木 夢編」 男は長い夢を見ていた。 それはゆっくりが実る木の種をもらい。 軽い気持ちで育てたら成長が異常なほどに早く、実としてゆっくりがはえてきた。 そしてたくさんゆっくりが集まったところで友達に売り飛ばす自分の姿も確認できた。 しかし木の実を見ているとゆゆこやらんなどの希少種も生えてきたが きめぇ丸が生まれると同時に木が朽ちるというものだった。 その夢を見てから同じような夢しか見なくなった。 「ハッ・・・また同じ夢を見るようになっちまった。」 『また』だ。 あの日以来。(あの日は夢オチだったけど) ゆっくり関連の夢しか見てない。 「あの木以外の夢なんて見れるか? ゆっくり関連の夢しか見てないんだ。 いけると思う。」 やってみる価値は十分ある。 とりあえず目をつぶりあの木以外のことを思いながら眠りにつく。 あたりの景色が真っ白だ。 うまくいったか? そう思いあたりを見渡すと 何か変な物体を見つけた。 すると俺を見るなりその物体は 「くろまくー」 としゃべり俺に乗りかかった! (がばっ) 「あぎゃあああああああああああああああっ!! はー・・・はー」 やっぱりゆっくり関係だったがあの木以外の夢はどうやらBAD ENDな方向にで進んでいたようだ。 「あやうくれてぃに殺されるところだった・・・」 もう1時、早く寝ないと明日に響きそうなので眠ることにする。 寝てみるとまたあたり景色が真っ白になった。 またかよ。と思いあたりを見渡す。 俺はさぁ、れてぃでも何でもこい!そう思ったお兄さんが見たのは肌色のぷにぷにしたもの 上を見てみると 「こーぼーねー」と叫ぶ巨大ゆゆこがいた。 そしてゆゆこは口を大きく開け、吸い込みを始める! (がばっ) 「ふぎゃあああああああああああああああああ!!ま、またかよ!」 なんだかんだ言ってあの夢以外は最終的に俺が死ぬということはよくわかった。 「てか、ゆゆこに殺されるなら本望だけどね!」 と変態じみたような言葉を発するとまた眠りについた。 また景色が真っ白に(ry で目の前にいたのは発情したでかいありす。 「にんげんさんにもありすたちのあいをあげるわあ・・・」 とあごの下から出てきたのは・・・そう、ぺにぺにだ。 「しこってもいいのよぉぉぉ・・・」 といいぺにぺにをを少しずつ俺に近づけ・・・ 「すっきりしましょぉぉぉぉぉぉぉ・・・」 「アッー」 (がばっ) 「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!! 何だよこれ!次は変態ネタかよ!」 変態はこいつなのだがついにレイパーの夢まで見るようになってしまった。 まずゆっくりできない夢から開放されるために 何も考えずに寝てみよう!そう考えた俺は 「なぜこんな単純なことに気づかなかったんだ?」と思い眠りについた。 また景色が(ry 「・・・え?」 何でこうなるのおおおおおおおおと思う俺の目の前に現れたのは 超巨大なドス そしてドスは口からエネルギーをため、俺にドススパークを発射した! それをもろに受けた俺は跡形も無く消滅した。 「ふぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおお!! って・・・なにこれ・・・」 時計を見ると2時をさしていた。 「こ・・・これで一時間か!?」 おちつけ、これも夢かもしれない。 なら寝る以外、手段は無い 顔をひっぱたいて夢じゃないと判断すれば眠りにくくなる。 だから寝るしかない。明日に備え。 しかし、夢は容赦なく男を襲った。 あるときは巨大ちるのが現れ くしゃみをして俺を凍らし。 またあるときは巨大らんが現れ 米鉄砲を俺に向けて撃つということも またあるときは巨大れみりゃが現れ 俺の血を吸ってゆき。 またあるときは巨大ふらんが現れ 俺をひたすら殴りまくり。 またあるときは巨大なうどんげが現れ 俺をあざ笑う。 またあるときは巨大おりんが現れ その僕であるゆっくりゾンビが俺に襲い掛かる。 ぶっ倒れる俺。 そしてそこに浮かぶ文字が 「You Are ○○○○」 (がばっ) 「ってバイ○かよ! というより何突っ込んでんだ?俺 あ、そうだ。時計時計・・・」 拾い上げ時計を見ると7時をさしていた。 「ええええええ!?」 「あ、そうか今日日曜だったな・・・」 ほっと一息つきまた眠りにつこうとする。 すると枕に何か違和感を感じた。 「なにかぽこんとしてるな・・・」 と思い枕を持ち上げてみると・・・! 続く! あとがき ゆっくりが実る木の続きでした。 悪夢にうなされるお兄さん これってありじゃね!?
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-初めに- このSSを読む前に“ゆっくり加工場”を読むことをオススメします。(加工場を書いたのは私ではありません) このまま“プチゆっくり魔理沙の生涯”を読んでもかまいませんが、以前私がUPした“ゆっくり霊夢の生涯” を読むと、内容が理解しやすいと思うのでオススメします。 ゆっくりに対する過激な虐待表現が含まれておりますので苦手な方は読まないほうがいいかと思います。 また、本編冒頭は前作と同時間軸の部分なので一部表現が同じ部分があります。ご了承下さい。 -本編- そのゆっくりの意識は暗いまどろみの中で何かを待っているかのように眠っている。 「ゆっくりしていってね!」 眠っていた意識が反応する。 「・・・ゆ、っゆっ、ゆっくりしていってね!」 そう言いながらそのゆっくりは目を覚ました。周囲では同じようにゆっくり達が目覚める。 「ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 周囲を見渡すと自分と同じゆっくりと自分とは違う形状の赤いリボンをしたゆっくりが複数いる。 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。 その時、離れたところにある扉が開き一人の男が入ってきた。 「ゆっ!おじさんだれ?」 「ここはどこなの?」 ゆっくりが達が尋ねると男が説明をしてくれた。 ここがゆっくり達の繁殖施設であること。自分はゆっくり魔理沙で赤いリボンのゆっくりがゆっくり霊夢という こと。自分はたった今生まれたばかりであること。そして最後におじさんはこう言った、 「ここで安心してゆっくりすればいいよ。」 優しそうなおじさんの説明を聞いて自分を含め周囲のゆっくり達は素直に受け止め喜んでいた。 そしておじさんはお菓子をくれ、ゆっくり達はおなかいっぱいに食べ、ゆっくりと夢の中へ旅立っていった。 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する。するとおじさんがこう言った。 「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから ね。」 ゆっくり達は素直におじさんの言うとおりにすることにした。 そしてそのゆっくり魔理沙はおじさんについて行き、生まれた部屋を後にした。 部屋を出るとおじさんが、 「生まれた次の日に引越しなんてさせてしまってすまないね、お詫びと言ってはなんだがゆっくり専用のプレイル ームで遊んでみないかい?プレイルームって言うのは遊び場のことだよ。」 それを聞くとゆっくり達は、 「ゆっくり遊びたい!」 「おじさんやっさしい!」 「遊びたい!」 ゆっくり達はおじさんの提案を歓迎し、まだ生まれたばかりの小さな体を使いめいいっぱい跳びはねて喜んでいる。 そしておじさんはプレイルームのドアの前まで案内してくれた。その扉は先ほどの部屋のものとは違いゆっり達専 用なのか小さかった。 「さぁ、ここだ。ゆっくり楽しむんだよ。」 そう言っておじさんは扉を開けた。 ゆっくり達の目の前には、広い部屋が広がっていた。 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねて中へ入っていく。扉を閉める際男は、 「しばらくすると別の部屋につながる扉が開くから中でゆっくりしていればいいよ」 「おじさんありがとう!」 「ゆっくりするよ!」 ゆっくり達は目をキラキラさせおじさんにお礼を言った。そして扉が閉められ鍵がかけられた。 プレイルームでゆっくり達は跳びはねたり、集団を作ってゆっくりしている。 しばらくすると上から液体のようなものが落ちてきた。そしてどこからかおじさんの声が聞こえる。 「やぁゆっくり達聞こえるかい?その部屋は適度な雨を降らせる部屋なんだ。その液体は安全なものだから安心す ればいいよ。」 ゆっくり達は初めて見る雨に興味があるようで、陽気に飛び跳ねて楽しんでいる。 「きもちいい!」 「ゆっくり!」 しばらくすると雨がやみ、入ってきたときと反対の方にある扉が開いた。 「さぁ、次のプレイルームに進むといいよ」 おじさんの声を聞くとゆっくり達はわくわくしながら次の部屋に進んだ。 ゆっくり達の体は入ってきた時よりきれいになっていた。だがそのことに気が付くゆっくりは一匹もいなかった。 次の部屋にすべてのゆっくりが入ると扉が閉まり鍵がかかった。 しばらくするとゆっくり達の体が宙に浮いた。 「ゆっくり!?」 「おっと、説明する前にスイッチを入れてすまないね。その部屋は床から風が吹き出して体が宙に浮くようになっ ているんだよ。危険なことはないから安心してゆっくりすればいいよ」 はじめはびっくりして戸惑っていたゆっくり達だったが、今まで跳びはねることしかできなかった体が宙に浮き、 とても楽しそうにしている。 「ゆっくーり」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 しばらくすると風が止み、ゆっくり達はゆっくりと床に着地し、次の部屋への扉が開いた。 「もっとゆっくり浮かびたかった!」 「ゆっくりしたかった」 何匹かのゆっくり達は不満を漏らしたが、おじさんになだめられ次の部屋へ進んでいった。 先ほどの部屋でぬれたゆっくり達の体はすっかりかわいていた。 次の部屋へ進むとそこは一面の白い世界であった。ゆっくり達は初めて見るものを不思議そうな顔をしてい眺め ている。そしてまたおじさんの声が聞こえてくる。 「その白いものは雪と呼ばれるものだよ、その上で遊ぶととても気持ちがいいよ」 おじさんの言葉を聞くとゆっくり魔理沙が恐る恐るその白い世界へ入っていった。そして、 「サラサラしてとっても気持ちいいよ!みんなも来て一緒にゆっくりしようよ!」 それを聞くとた躊躇っていたゆっくり達は一斉に飛び込んでいった。 白い粉が一斉に宙を舞い、ゆっくり達を包み込んだ。ゆっくり達はそんなことは気にもせずに飛び跳ねて遊んで いる。しばらくするとゆっくり達は真っ白になっていた。そう、これは雪ではない。しかしゆっくり達は本物の 雪を知らないため、真っ白になっても何の疑問も持っていなかった。 「ゆっくり霊夢真っ白、真っ白w」 「ゆっくり魔理沙も真っ白w」 そして次の部屋の扉が開き真っ白になったゆっくり達は次の部屋へ進んでいく。 次の部屋にはいくつかのくぼみがあり、黄色い液体で満たされていた。またおじさんの声が聞こえる。 「この部屋は泥遊びの部屋だよ。部屋にあるいくつかのくぼみに泥が入ってるから泥まみれになるのもよし、飛ば しあうのもよし、好きに遊ぶといいよ」 そう聞くと好奇心旺盛なゆっくり魔理沙が先陣を切って泥だまりへとダイブした。衝撃で泥が飛び散り様子を伺 ていたゆっくり達に飛び散った。 「ゆっくり霊夢にあたったあたった!」 「ゆーーーー、ゆっくり魔理沙!」 泥のかかったゆっくり霊夢は負けじと泥だまりへダイブし、ゆっくり魔理沙に泥を飛ばす。これを見ていたほか のゆっくり達は続々と泥へダイブしていく。そして楽しそうに泥遊びをした。 しかし、先ほど体についた白い粉に黄色い液体がまとわりつき、次第にゆっくり達のうごきは遅くなっていった。 「うぅぅ、体が重いよ」 「動きにくいよ」 ゆっくり達は苦痛をもらす。その時次の扉が開きおじさんの声が聞こえた。 「次の部屋で体にまとわり付いたものが落とせるよ、さぁ行った行った。」 それを聞いたゆっくり達はこぞって次の部屋へ進んでいった。 ゆっくり達は次の部屋へ行くため重たい体で飛び跳ねながら通路を進んでいる。すると突然電気が消えた。 「なに?」 「どうしたの?」 ゆっくり達がわけがわからずその場で立ち尽くしていると、暗闇の中でなにやら音がした。そして体が急に転が りだす。今まであった床が傾き、坂となりゆっくり達は続々と暗闇の中へ転がっていく。 「ゆっくり止まってね!」 転がるのは止まったが部屋は真っ暗のままだった。ゆっくり達は困惑している。その時おじさんの声が聞こえた。 「さぁ最後の仕上げだよ」 そして電気がついた。 ゆっくり達は驚愕した。ゆっくり達は底が円形の吊るされた檻に入っている。そして下には熱気を発する薄茶色 の液で満たされた大きな入れ物があった。周囲には足場はなく、例え檻から出られたとしても逃げ道はなかった。 「今からゆっくり達が入っている檻の底を端からゆっくりと無くしていくからね。最後に残ったゆっくりは助けて あげてもいいよ」 ゆっくり霊夢はあまりの出来事に呆然としている。その時、 「ゆっくり落ちてね!」 あの好奇心旺盛だったゆっくり魔理沙がゆっくり霊夢に体当たりしたのである。ゆっくり霊夢はなくなった床か ら高温の液体の中へ落ちていった。そして悲鳴が聞こえてくる。 「あづいよぉぉぉぉぉ、だずげで!おでがいじばずぅぅぅぅぅ。」 そして次第に声は小さくなり聞こえなくなった。小さな檻の中で生き残りをかけた戦いが始まった。 初めは十分にあった床はどんどん狭くなり、そしてゆっくり達はどんどん落ちていく。時間がたつにつれて悲鳴 の量は増えていく。 「だづげでおねがい!」 「ゆっぐりできないよ!ゆっぐりでぎないよ!」 「おじさん!やざじいおじさん!お願い!」 ゆっくり達の哀願は届くことはなく次々と力尽きていく。 檻の中のゆっくり霊夢達はすべて落ちてしまった。ゆっくり種というのは頭はさほど良くないのだが、ゆっくり 魔理沙は悪知恵が働くらしく、さまざまな手を使い、たくみにゆっくり霊夢を下に落としていった。 「霊夢うぅぅぅぅ、もっとゆっくりしようよぉぉぉ」 ゆっくり魔理沙は涙を浮かべ霊夢に話しかける、 「魔理沙ぁぁぁ、私もゆっくりぢたいよぉぉぉ」 つられてゆっくり霊夢も涙を流す。そしてゆっくり霊夢が油断した瞬間! 「ゆっくり死んでね!」 ゆっくり霊夢へ体当たりをして穴から下へ落とすのであった。 普段は仲良くしているが、追い詰められると本来の性格が現れるようだ。 このように姑息な手段を用いて檻の中はゆっくり魔理沙だけになった。 そして床はどんどんとなくなっていく。ゆっくり達は気が付く。端から床が無くなるのだから中心にいれば助か ると。こうして檻の中心の取り合いが始まる。 「さっさとどいてね!」 「ゆっくりさせないよ!」 中心を陣取るために体当たりするゆっくり達 「もっとゆっくりさせてね!」 「ゆっく!ゆっく!ゆっくりさせてね!」 中心を死守しようとするゆっくり達 戦いに敗れたゆっくりは絶望の表情に涙を浮かべて下へ落ちてゆき、悲鳴を上げる。 そしてその檻の中は1匹のゆっくり魔理沙だけになった。下からは助けを請うゆっくりの悲鳴が聞こえてくる。 男の声が聞こえる 「どうやら1匹になったようだね。約束通り助けてあげよう。」 床が元に戻り檻の出口が開く。そして開いた檻の先に見える出口らしき場所から床が伸びてくる。 ゆっくり魔理沙は安堵する。 「やっと・・・ゆっくりできる・・・」 しかし伸びてきた床は檻の入り口まで届いていなかった。 「少し距離が足りないようだがそれくらいなら跳べるね、ジャンプして跳び移ってくれるかい?」 ゆっくり魔理沙は見た。檻の出口と床の間は約ゆっくり1匹分。簡単に飛べる距離であった。 ゆっくり魔理沙は最後の力を振り絞って飛んだ!目の前に床が見えた。これでやっとゆっくりできる。そう思っ た瞬間! ガコン 「ゆ!?」 何かに当たったゆっくり魔理沙は表現ができない表情を浮かべ涙を流し落ちていった。そして悲鳴を上げる。 「ゆっぐりぢだがっだよぉぉぉぉぉぉ」 周囲には自分が落としたゆっくり霊夢や魔理沙がプカプカと浮いていた。既に意識はない。それを見てゆっくり 魔理沙はさらに絶望するのであった。 「おじざん、やぐぞくどおりだずげでよぉぉぉ」 ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げる、すると男は話し出す。 「残念だったね透明な板が設置してあってどうあがいても飛び越えられないんだよ。まぁいつものことだ、君を助 ける気なんて毛頭なかったんだよ。ゆっくり達を一気に落とすと油の温度が急激に下がってうまく揚げあがらない んでね、だから最後に残ったゆっくりを助けると言ったんだよ。そうすれば争い合ってゆっくりと落ちていくから ね。」 男は説明するがゆっくり魔理沙の意識は既に無くなっていた。 ゆっくり加工場に隣接する饅頭屋には長蛇の列ができている。 「いらっしゃい!いらっしゃい!今日は週に一度のゆっくり揚げ饅頭の販売日だよ!」 幻想郷の住民の間では今ゆっくり揚げ饅頭は一大ブームとなっている。 その列を見た金髪の女性は並んでいる住民にこの列はいったい何なのか尋ねた。 「おやまぁ、お嬢さん。ゆっくり揚げ饅頭を知らないのかい?」 「ゆっくり揚げ饅頭?」 「そうさ、そこの饅頭屋で売ってるんだ。見た目は少々アレだが味は抜群だよ。」 金髪の女性は試しに買ってみることにした。 一時間並びようやく買うことができた。 「ふぅ、やっと買えたわ。これでまずかったらあの饅頭屋ただじゃおかないわ」 一口ほおばる、 「こ、これは!」 おいしい、確かに並んで買うだけのことはあるとその女性は思った。 「あら?」 その饅頭をよく見ると、どこかで見たことがある顔がうっすらと見える。 そう、この恐怖におびえる顔はまさしく家で透明な箱に閉じ込めてあるゆっくり魔理沙であった。 「もし?この揚げ饅頭はあの饅頭屋で作っているんですか?」 自分と同じように揚げ饅頭を買った人間に聞いた。 「いんや、なんでもあの饅頭屋に隣接する工場で作っているらしいよ。まぁ作り方までは知らないがね。」 「どうもありがとうございます。」 家路に付く途中、その女性は独り言をつぶやいた。 「うふふふふ、いいこと聞いたわ」 金髪の女性は不敵な笑みを浮かべ森の中へ消えていった。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでいただきありがとうございます。 前作の“ゆっくり霊夢の生涯”で生き別れたプチゆっくりたちの結末を書かせていただきました。 もう気が付いている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のSSは宮沢賢治の注文の多い料理店をモチーフに 作成いたしました。まぁモチーフと違い料理されて食べられてしまうんですけどね^^;。 東方のキャラが0人というのは寂しかったので、勝手ながらアリスがゆっくり加工場の存在を知った時という設定 を入れさせていただきました。 作成するに当たり、改めて加工場を書いた方がいかに神がかっているかを痛感いたしました。 とりあえず頭の中に浮かんだネタは一通り出し切りました。 アイデアさえ浮かべば次回作を書きたいと思います。と言いながらも文章を推敲している間に紅魔館を舞台にした ゆっくりいぢめがなんとなく頭の中に浮かんできてしまいました。(もう病気ですねw) 私のような初心者が書いたSSでも読みたい!という人が一人でもいるならゆっくりですが書きたいと思います。 個人的には漫画を描きたいのですが、幼少の頃から画力が絶望的なのであきらめています;; 念のためゆっくり達が入った部屋の説明をしておきますね。 洗浄 → 乾燥 → 小麦粉まぶし → とき卵づけ → 揚げ ちなみにSSの通りに揚げ饅頭を作ってもおいしく出来上がるかは一切責任を持ちませんのであしからず。